タカ派サプライズなし

Market Overview-スタンスに変化は見られず

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米連邦準備理事会(FRB)は17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、大方の予想通り債券買い入れ額を月額100億ドル縮小し、350億ドルにすることを決定した。

焦点はイエレンFRBのスタンスの変化、つまり「タカ派サプライズ」にあったが、声明に目立った変更点は見られず、イエレン議長も利上げ再開の時期について「米国経済次第」という従来のスタンスを述べるにとどまり明言を避けた。2015年末時点のFF金利予想中央値は1.125%と、前回の1.00%から若干ながら上昇したものの、経済見通しについては今年の成長率を2.2%とし、3%近い成長を見込んでいた3月時点から大幅に下方修正した。また、インフレ見通しにも大きな変更が見られなかったことで、マーケットが警戒していた「タカ派サプライズ」は回避された格好となった。

従来の慎重姿勢を貫くスタンスを表明したイエレンFRBの決断を受け、米国マーケットは「株高・金利低下」で反応。米金利の低下は外為市場でのドル売り圧力を強め、ドルインデックスは下落。ユーロドルは1.3600まで上昇し、ドル円は102.00を挟んだこう着状態となった。

ドル円やユーロドルで低ボラティリティが継続する中、この状況を打破する可能性があったのが今回のFOMCだった。しかしサプライズなく通過したことで、円相場は引き続き株式にらみの展開となろう。目先は米緩和継続期待から、リスクオンの先導役である米株が史上最高値圏を維持し、主要な欧州&新興国株式市場もそれに追随することで、グローバル株式は総じて堅調に推移する可能性が高い。そのような状況が継続すれば、クロス円が円安ドライバーとなろう。特にポンド円、豪ドル円そしてNZD円がけん引する可能性が高い。逆にユーロ円は域内のディスインフレ懸念とそれに伴う緩和強化観測が意識され続けることで、前の3通貨ペアと比較し、上昇幅は限られよう。

一方、ドル相場は軟調に推移しよう。特に対高金利通貨や資源国通貨でパフォーマンスの低下が目立つ可能性が高い。ドル円は、昨日の動向を見る限り101.00-103.00のレンジ相場が継続しよう。株安となれば、101.65前後で推移している200日MAを下方ブレイクし、レンジの下限101.00トライの展開となろう。また、米緩和継続期待は、新興国通貨にとってもポジティブ要因となろう。

Today’s Outlook -円相場の焦点は株高オンリーのリスクオン継続

イエレンFRBが従来のスタンスを継続することを示唆したことで、円相場のトレンドは、株高を背景としたリスクオン相場が継続するかどうか、この点にかかっている。その株式市場は、米株が崩れない限り、主要な欧州&新興国株価指数も総じて堅調に推移しよう。問題は、国内の株式市場がこの状況に追随出来ていないことだ。目先は、安倍政権が打ち出す「新・成長戦略」が日本の潜在成長率を底上げするだけの内容となるかどうかだろう。海外投資家に日本の成長期待を抱かせる内容となれば、米株高に加え国内の株高圧力も合わさり、円相場は上述した通りクロス円を中心に円安優勢の展開となろう。一方、ドル円は米金利の低空飛行を背景としたドル売り圧力が円売り圧力を相殺し、レンジ相場が継続しよう。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.80:6月4日高値 102.23:89日MA
サポート 101.64:200日MA 101.00:サポートポイント

200日MA(黄ライン)を下限、89日MA(赤ライン)を上限と想定し、どちらのMAを完全にブレイクするかが焦点となろう。200日MAを下方ブレイクした場合は101.00が、89日MAを上方ブレイクした場合は厚いオファーが観測されている102.50そして102.80(6月4日高値)が次の焦点として浮上しよう。尚、101.70以下から101.45にかけてはビッドとストップが混在している。

ユーロドル

レジスタンス 1.3600:レジスタンスポイント 1.3599:21日MA
サポート 1.3503:6月5日安値 1.3477:2月3日安値

1.3500-1.3600のレンジ相場は継続中。下方ブレイクした場合は、重要サポートポイント1.3477を視野に下落スピードが加速することを想定したい。一方、上値は21日MAの突破が焦点。尚、1.3600前後はオファーが並んでいる。1.3530から1.3500にかけてはビッドがぞれぞれ観測されている。また、1.3510&1.3500下にはストップの観測がある。

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