焦点は米金利の動向

Market Overview-FOMC前にジリジリ上昇する米金利

Source: Bloomberg

9日の米株式相場でダウ工業株30種平均は、3日連続で過去最高値を更新。S&P500種株価指も過去8営業日で7度目の最高値更新となった。史上最高値圏での攻防が続く米株がけん引役となり、主要な欧州&新興国株式も堅調に推移。また、米債券市場では金利への低下圧力が後退し続け、10年債利回りは2.60%台で堅調に推移。2年債利回りも0.420%前後で引ける展開となった。そして米金利の上昇はドル買い圧力を強め、ドルインデックスは続伸し本日の東京時間を迎えている。

6月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け注視すべきは、米金利の動向だ。米金利がジリジリと上昇し始めている背景には、米国のファンダメンタルズ改善期待に加え、来週のFOMCに向けた警戒感もあろう。超低金利政策にコミットしたイエレンFRBがそう簡単に宗旨替えするとは思えないが、週後半以降発表される小売売上高(5月)をはじめとした重要経済指標が総じて市場予想以上の結果となれば、イエレンFRBは前回会合よりも将来の景気見通しについて強気の見方を示してくる可能性は否定できない。一連の米株高傾向も考えれば、債券市場ではFOMC前にひとまずロングポジションをアンワインドし、イエレンFRBの出方を探る戦略に出る可能性が高まろう。米債券市場でこのような動きが強まれば、外為市場では相対的にドル買い圧力が強まろう。特にユーロドルは、米欧の金融政策のコントラストに加え、テクニカル面(21日&200日MA)でも上値が抑えられる状況が続いており、FOMC前に節目の1.35再トライの展開を想定しておきたいところだ。

一方、円相場は、これまで通り株式市場の動向次第でトレンドが決定されよう。その株式市場は、リスクオンの先導役である米株が史上最高値圏での攻防が続く限り、世界的に堅調に推移する可能性が高い。よって、外為市場では根強い円売り圧力が継続しよう。そこに上述した米金利上昇も加われば、一時的にドル円が円安ドライバーとなり、円相場全体をけん引する展開も想定される。

Today’s Outlook -焦点は中国経済指標と米国マーケット

材料難の一日の中、アジア時間の焦点は中国の経済指標となろう。日本時間10時30分に発表される生産者物価指数(5月、PPI)と消費者物価指数(同月、CPI)の結果次第で、豪ドル相場が左右されよう。だが、豪ドル相場の反応以上に注視すべきは、市場予想を下回った場合のアジア株式の反応だろう。軟調な中国経済指標の結果を受けて尚、米株高を背景にアジア株式が堅調さを保てば、豪ドル円以外の円相場は底堅く推移する可能性が高まろう。逆に日経平均をはじめ株安となれば、円相場全体で円高圧力が強まろう。

海外時間は、引き続き米国マーケットにらみの展開となろう。米株続伸、金利上昇継続となれば、昨日同様、米欧の金融政策のコントラストと将来の金利差拡大観測を背景にユーロドルは下値を模索する展開となろう。ドル円は、目先のレジスタンスポイント102.80レベルをトライする展開となろう。逆に高値警戒感から米株市場で利益確定売り優勢となれば、ユーロドルは1.36台を挟んだボックス相場、ドル円は89日MAを目指す展開を想定したい。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 103.00:レジスタンスポイント 102.80:6月4日高値
サポート 102.25:89日MA 101.99:21日MA

102円台への攻防へシフトするものの、103円台をトライするムードは感じられず。目先は、102.80レベルの攻防が分岐点となろう。このレベルから103.00にかけては実需も含めたオファーが並んでいる。一方、下値は89日MA(赤ライン)がサポートラインとして意識され続けるかが焦点となろう。このMAを下方ブレイクしても、次に控えるのは102.00前後まで浮上してきた21日MA(緑ライン)。株高傾向や102.00に観測されているビッドの存在も考えるなら、102円台では底堅い展開が想定される。

ユーロドル

レジスタンス 1.3655:200日MA 1.3649:21日MA
サポート 1.3580:サポートポイント 1.3503:6月5日安値

21日MA&200日MAが密集する1.3650前後が強固なレジスタンスとして意識されている。この状況が継続するならば、下値を模索する状況が継続しよう。目先の焦点は、1.3580レベルでの攻防だろう。先週5日(木)を除けば、このレベルがサポートポイントとして意識されている。昨日はもこのレベルでサポートされ、本日もビッドが観測されていることから、1.35台最初のサポートポイントとして注目しておきたい。下方ブレイクすれば、節目の1.3500を目指し下落スピードが加速しよう。

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