焦点は米金利の動向

Market Overview-米株高に金利が追随するか

米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、4月30日以来となる過去最高値を更新した。一方、S&P500種株価指数は0.2%高、ナスダック総合指数も0.5%高と堅調に推移。一連の米株高の背景には、米国経済への回復対する根強い期待感がある。一方、米債券市場では、2年債利回りが低下する等、短期ゾーンを中心に低下圧力がかかり続けている。  

今週は、米株高に金利が追随するかどうか、この点が外為市場の焦点となろう。鍵となるのは、米国の重要経済指標だろう。火曜日の小売売上高(4月)を皮切りに、木・金曜日に集中している各経済指標の結果が総じて市場予想を上回って尚、イエレン連邦準備理事会(FRB)による超低金利政策の維持を意識し、「株高オンリーのリスクオン」が継続するならば、円相場ではクロス円を中心に円売り優勢の展開となろう。米ドルも対資源国通貨&新興国通貨に対して軟調に推移しよう。  

逆に強い経済指標の結果が続き、それらに対して米金利が素直に反応すれば、米ドルは主要国通貨に対して買戻し優勢の展開となろう。特に注目される通貨ペアはドル円とユーロドルだろう。ドル円は、サポートポイント101.20を維持する状況が続いているものの、米金利低下を背景としたドル安圧力が強まっていることは明白。先週8日のドラギ欧州中央銀行(ECB)理事会総裁による「6月緩和強化」発言後、ユーロドルが大きくドル高へ振れたにもかかわらず、ドル円が陰線引けした点も考慮するなら、「株高オンリーのリスクオン」による円安が限界に達しつつあることも露呈している。しかし米経済指標の結果、「米株高+金利上昇」となれば、円売り圧力とドル買い圧力が車の両輪のようにかみ合うことで、上値トライのムードが強まろう。逆に最も注意すべきシナリオは、リスクオンの土台である株高が崩れる展開となった時だろう。この場合は、「株安+米金利低下」を背景に101.20はおろか、重要サポートポイント100.75(2月4日安値)を視野に下落幅が拡大するだろう。

一方、ユーロドルはさらに下値トライとなるか、この点が焦点となろう。8日のレポートで指摘した攻防分岐の一目/基準線はおろか、長期サポートラインをも完全に下方ブレイクしたことで、テクニカル面ではトレンド転換シグナルが点灯。このユーロ売り圧力を後退させる要因を挙げるとすれば、15日の消費者物価指数(4月、HICP、改定値)と域内総生産(1-3月期、GDP、速報値)だろう。前者の上方修正と後者の強い伸びが確認されれば、ECBによる「6月緩和強化」への期待が後退しよう。しかし、節目の1.40手前で急反落し、2日連続の大陰線出現により上記のテクニカルを一気に下方ブレイクした事実は、マーケットがユーロベアに傾いていることを示唆している。鍵を握るのは、やはり米金利の動向だろう。HICPやGDPの結果がユーロ買いを誘発しても、好調な米経済指標の内容を背景に米株高が継続し、それに伴い米金利への低下圧力が後退すれば、米欧の金融政策のコントラスト(方向性の違い)が意識されることで、ユーロドルは緩やかに下値を模索する可能性が高い。

 

Today’s Outlook -材料難の一日

本日注目すべき経済指標は、日本の国際収支統計(3月)となろう。貿易赤字額が再び拡大(-5334億円→ -1兆1254億円)することで、経常黒字が前回よりも縮小(6127億円→3477億円)する見通しとなっている。予想以上に経常黒字が縮小するようならば、円売り要因となろう。だが、基本的に円相場のトレンドは、引き続き株式動向に左右されよう。

ただ、欧米に加え中国の重要経済指標は明日以降本格的発表されることを考えるなら、グローバル株式市場や米金利は小動きに終始する可能性が高い。よって、材料難の一日を背景に円相場のみならず、外為市場全体も方向感のないレンジ相場に終始する可能性が高いだろう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.18:21日MA 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.20:サポートポイント 100.75:2月4日安値

100.75(2月4日安値)を起点としたサポートラインを突っ掛ける状況が継続している。完全に下方ブレイクすれば、サポートポイント101.20を視野に入れる展開となろう。101.20レベルをも下抜ける展開となれば、100.75を目指す展開を意識したい。上値は、102.20前後で推移している21日MAを突破出来るかが焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3845:一目/基準線(日足) 1.3800:レジスタンスポイント
サポート 1.3745:5月9日安値 1.3722:一目/雲の下限

攻防分岐の一目/基準線(赤ライン)はおろか、昨年7月安値1.2755を起点としたサポートラインをも一気に下方ブレイクしたことで、一目/雲の下限の維持が下値の焦点として浮上。上値は、基準線がサポートからレジスタンスとして転換するかどうか、この点を確かめる必要があろう。

 

Today’s Chart 

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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