焦点は雇用統計と米金利の動向

Market Overview-外為市場のトレンドを左右する米金利

5月1日のNY外為市場は、雇用統計(4月分)前ということもありレンジ相場に終始。ドル円は102円前半、ユーロ円は141円台後半で売り買いが交錯。一方、ユーロドルは一部で6月の利下げ観測が指摘されたこともあり、1.3890手前で上値が抑えられると1.3865レベルまで反落した。米株式市場もメーデーにより主要なアジア&欧州市場が休場の中、調整主体の値動きに終始した。米金利は低下傾向が続き、10年債利回りは一時2.60%を割り込む局面が見られた。

今後、ドル円のみならず、ユーロドルや新興国通貨のトレンドを見極める上で重要なファクターは、米金利の値動きだろう。考えられるシナリオは以下3つ。

シナリオ1米国株式市場が史上最高値圏の攻防へと回帰して尚、上述の通り米金利には低下圧力がかかり続けている。今後もイエレン連邦準備理事会(FRB)が超低金利政策の長期化を強く示唆し続けるならば、昨日、目先の下限とされる2.60%台を一時的にせよ割り込んだ10年債利回りにはさらに低下圧力が強まろう。米金融政策の動向を反映しやすい2年債利回りも同様の展開となろう。米金利の低下傾向が継続して尚、米国株式が史上最高値圏を維持するならば、「株高+金利低下」を背景に外為市場ではこれまでと同様の典型的なリスクオン、つまり「米ドル&円売り」(低金利&流動性の面からキャリートレードの資金調達通貨として利用されるため)、そして「新興国通貨&資源国通貨買い」の展開となろう。

シナリオ2だが、金利は経済を映す鏡である。いくらFRBのハト派スタンスが鮮明になっているとはいえ、米ファンダメンタルズ改善期待を背景とした株高が継続するならば、安全資産からリスク資産への資金シフトが徐々に進行しよう。その際、米金利には緩やかながら上昇圧力が強まるだろう。そのような展開となれば、「株高+金利上昇」を背景にドル高ベースのリスクオンとなろう。よって、この場合のリスクオンは、米金利反発を背景に「円&新興国通貨売り」の圧力が対ドルで強まることを意味する。

シナリオ3最後に「株安+金利低下」の場合は、リスクオンの先導役が不在となることから、「円買い」圧力を強めよう。同時に「新興国通貨&資源国通貨売り」の圧力も強まるだろう。米ドルは対円で下落、対新興国通貨と資源国通貨では上昇する展開を想定。

 

Today’s Outlook -注目の米雇用統計

本日の焦点は、日本時間21時30分に発表される米雇用統計(4月分)だろう。結果次第で来週以降、米金利の動向を左右するであろう。非農業部門雇用者数の市場予想は22万人前後。失業率のそれは6.6%。雇用改善を示す内容となれば、米国株式の押し上げ要因となろう。その際、米金利も反発すれば、ドル円は再び日足の一目/基準線をトライする展開となろう。ユーロドルも1.3800を視野にドル高優勢の展開となろう。「株高オンリー」の場合は、上述の通り「米ドル&円売り」の典型的なリスクオン相場となろう。

市場予想を下振れた場合は、その内容にもよるが米国株式で利益確定売りが強まる可能性が高い。米株下落は米金利の低下圧力を強めることから、「米ドル売り&円買い」の展開を想定したい。

サプライズは「強すぎる雇用統計」の内容だろう。この場合、金利への上昇圧力が強まることで米国株式にとってはネガティブ要因となろう。よって、「米ドル&円買い」というリスクオフトレンドとなる可能性があろう。尚、ドル円は株安の影響をより大きく受けることで、円高優勢の展開となる可能性があろう。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.77:89日MA 102.73:一目/基準線(日足)
サポート 101.80:サポートポイント 101.50:サポートライン

上値は引き続き、日足の一目/基準線(黄ライン)の攻防が焦点。上方ブレイクした場合、89日MA(赤ライン)が次の焦点として浮上しよう。下値は目先、101.80レベルを維持出来るかどうか注目。下方ブレイクした場合は、サポートラインの維持が注目される。尚、朝方のオーダー状況だが、102.50から103.00にかけてオファーが断続的に観測されている。ビッドは102.00以下から101.00にかけて並んでいる。尚、102.75&103.10上、102.00&101.50下にはそれぞれストップが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3889:5月1日高値 1.3870:レジスタンスライン
サポート 1.3800:サポートポイント 1.3790:一目/基準線

上値は1.39台へ到達できるか注目。下値は1.38台の維持が焦点だろう。朝方のオーダー状況だが、1.3900には厚いオファー、1.3910上にはストップの観測がある。ビッドは1.3850&1.3800に置かれている。

 

Today's Chart

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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