経済指標にらみの一日

Market Overview-米株に追随できない日株

22日の米株式相場は続伸。ダウ平均は前日比65ドル12セント高の1万6514ドル37セントと4月3日以来の高値水準で取引を終了。S&P500種 株価指数も6営業日続伸となり、昨年9月以降で最長の連続高を記録した。一方、米債券市場では、中期ゾーンを中心にジワリと低下圧力が後退。2年債利回りは一時0.41%台、5年債のそれは1.75%、そして10年債のそれは2.74%半ばまでそれぞれ上昇する局面が見られた。イエレンFRBの慎重姿勢が鮮明になっているにもかかわらず、4日の雇用統計以降続いていた米金利への低下圧力が徐々に後退している背景には、底打ち感が強まっている米株式の動向がある。リスクオンの先導役である米株に支えられ、直近の新興国株式市場も落ち着いた値動きとなっている。

しかし、日経平均だけは米株の反発に追随しきれない状況となっている。昨日は前日比123円61銭安の1万4388円77銭で取引を終了。軟調な地合いの背景には、2014年3月期決算への警戒感もあるだろう。しかし昨年12月後半以降、徐々に上値が切り下げっていることを考えるなら、これまで上昇相場をけん引してきたアベノミクスへの失望が日経平均の上値を抑える最大の要因であろう。その失望とは、言い換えれば成長戦略(構造改革)に対する失望である。現下、日本経済の課題は成長のボトルネックとなってきた各種規制を緩和(特に労働市場の流動化)し、新たな成長産業と需要を生み出すことだが、現実は異次元緩和による期待の働きかけと従来の公共事業頼みとなっている。本日よりオバマ米大統領が来日するが、貿易の自由化促進を目的とする環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉すら暗礁に乗り上げるようなら、アベノミクスに対する失望が海外投資家を中心にさらに拡大しよう。米株式が崩れない限り、日経平均もある程度の水準(1万3,000円台?)を維持する可能性はあるが、長期スパンでの上昇は期待出来ず、海外のリスク要因が再び台頭した場合は、国内成長の芽がないことから他の主要な株価指数以上に大きく崩れる可能性があろう。

日経平均の動向は今後も円相場のトレンドを左右するだろうが、直近の株安にもそれほど円高で反応しない事実は重要だ。この背景には、米景気回復期待とそれに伴う将来の金利差拡大観測、そして貿易赤字の拡大に伴う経常収支の悪化があろう。円相場は、日経平均が下落しても(米株が崩れない限り)、円安トレンドを維持する可能性が高い。

 

Today’s Outlook -各国経済指標にらみの一日

本日の外為市場は各国経済指標にらみの一日となろう。アジア時間は豪ドル相場の動向に注視したい。日本時間10時30分に1-3月期の豪州消費者物価(CPI)、10時45分には4月 のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値がそれぞれ発表される。前者に関しては、NZのCPIが下振れたことで豪州もそれも市場予想を下回るとの警戒感が一部にある。その後に発表される中国PMIも同時に冴えない内容となれば、豪ドル相場にとってはネガティブ要因となろう。逆に総じて市場予想を上回る内容が続けば、株高の影響も合わさり、対ドル&円で上値トライの展開となろう。

海外タイムでも経済指標にらみの状況は継続しよう。注目はユーロ圏の各種PMI指数と米住宅関連指標だろう。米金利への低下圧力が後退しつつある中、ユーロ圏経済指標が総じて冴えない内容となり、米住宅関連指標が市場予想を上回れば、ユーロドルは米欧の金利差拡大観測を背景に、1.3790台で推移している21日MAを完全に下方ブレイクする可能性が高まろう。

 

Today's Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.95:89日MA 102.72:一目/基準線(日足)
サポート 101.80:4月16日安値 101.45:一目/基準線(週足)

一目/基準線(赤ライン)での攻防が引き続き焦点となろう。突破した場合は、89日MA(青ライン)および103.05前後で推移している一目/雲の上限での攻防に注目したい。下値は目先、102円台の維持が焦点。101円台へ反落しても101.80-90のサポートゾーンもしくは週足の一目/基準線で反転する展開を想定したい。 朝方のオーダー状況だが、102.80から103.10レベルにかけてはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは102.20以下から101円ミドルレベルまで断続的に観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3887:ボリンジャー上限 1.3865:4月17日高値
サポート 1.3794:21日MA 1.3735:サポートライン

21日MAを完全に下方ブレイクした場合、ビッドが並んでいる1.3750レベルで反転するかが注目される。だが、テクニカル面では日足のサポートラインの維持が重要となろう。今年2月以降の緩やかなユーロ高を支えているこのラインは今日現在、1.3735レベルに位置している。一方、上値は目先、4月17日高値1.3865レベルの突破が焦点となろう。このレベルより上から1.3900にかけてはオファーが並んでいる。

 

Today's Chart

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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