軟調地合いの米中株式 円高再来を警戒

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Analyst's view

「米株下落→グローバル株式再不安定化→円高再来」に要注意
今週、外為市場のトレンドを左右する要因としてまず注視すべきは、米株の動向だろう。先週(5/9の週)の騰落率を確認すると、NYダウはマイナス1.16%と3週連続で下落。S&P500指数も同様の展開となった。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りには底打ち感が見られるものの、低空飛行状態に大きな変化は見られない。米利上げペースの後退は意識されているものの、同時に米景気先行き不透明感も台頭しつつある(13日の小売売上高は前月比1.3%増と2015年3月以来の大幅な伸び率だったにもかかわらず米株は下落)というマーケットの心理を「米株安 / 米金利低空飛行」は示唆している(事実、13日の小売売上高は前月比1.3%増と2015年3月以来の大幅な伸び率だったにもかかわらず米株は下落した)。

今週も米経済の状況を見極める上で重要な指標データが発表される。個人消費の動向に関心が集まる中、住宅関連指標が総じて市場予想を下回るようならば、米株にはさらに売り圧力が強まる可能性が高い。米株の下落は米金利の低下圧力増大につながることから、13日同様、外為市場では円買い圧力が強まろう。特に注視すべきはドル円(USD/JPY)だろう。111.89-105.55のリトレースメント61.80%にあたる109.46レベルで上値がレジストされ続けており( IGテクニカル分析のドル円チャート参照)、テクニカル面では109円ミドルレベルが新たなレンジの上限として浮上している。このタイミングで米ファンダメンタルズ面への不透明感も強まれば、リスク選好の先導役が不在となることで日本を含めたグローバル株式市場で売り圧力が強まろう。そして米金利の低空飛行も継続することで、ドル円(USD/JPY)は再び106円台の攻防へシフトする展開を警戒したい。


効果が期待できない口先介入

円高圧力が強まった場合、口先介入への期待感が再び強まるだろう。しかし、日本サイドからそのような発言が相次いでも、政治的状況と日程を考えるならば、円高圧力を後退させることはできないだろう。
20~21日に仙台で開催される主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、米国のルー財務長官が「通貨安競争の回避を再確認」することで日本サイドの動きを執拗にけん制する可能性が高い。この背景にあるのが、米国内の政治状況(議会でのTPP承認 / 大統領選挙)であることは言うまでもない。また、ドイツサイドも通貨安競争に対して否定的な見解を「安倍・メルケル会談」で表明済み。26-27日にはG7伊勢志摩サミットが開催されるタイミングも考えるならば、そもそも為替市場への直接的な言及をするタイミングではない。


要注意の中国市場

そして、今週円高圧力を強めるもうひとつの要因として注視すべきは、中国市場の動向だろう。14日に発表された中国の各種指標データは、貿易統計に続き同国経済の先行き不透明感を強める内容だった。上海株式市場が4週連続の下落となっているタイミングで冴えない指標データが続いたとなれば、中国株式市場全体に下押し圧力が強まる展開を警戒すべきだろう。同国の株式市場が不安定化すれば、外為市場では昨年後半のように中国の人民元が対ドルで下落基調を鮮明にしよう。中国市場全体で不透明感が強まれば、新興国市場の再不安定化(株安 / 通貨安)及び原油価格の下落を誘発し、円相場全体で円高圧力が強まる要因となろう。



【日米中株式パフォーマンス(MSCI)】緑ライン:米株  青ライン:日本株 赤ライン:中国株

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