6月FOMCとドル円 それぞれの焦点

Market Overview

6日の海外外為市場は、ドル売り優勢の局面は見られたものの根強い買いも入り、売り買いが交錯する展開となった。衝撃的な米雇用統計(5月)の内容を受け早期利上げ観測は後退。しかし、この日設定された講演でイエレンFRB議長が経済状況次第での利上げスタンスを維持したこともあり、ドル売りは限定的となった。事実、ドル相場の方向性を示すドルインデックスは「陽のコマ」が出現し、今後の指標データ次第での反発を示唆する展開となった。一方、円相場はドルストレートでのドル売り優勢、堅調な原油価格と欧米株式の動向が意識され、クロス円を中心に円売り優勢の展開となった。ドル円(USD/JPY)は一時107.65レベルまで値を戻す局面が見られたものの、107円台を中心としたボックス相場が終始継続した。

一方、この日の原油価格(NY原油先物7月限)は1バレル=49.69と、再び大台の50ドルをうかがう展開に。原油高と株高にサポートされ、米債券市場では各ゾーンの利回りが反発。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.82%台を付ける局面が見られた。

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Analyst's view

6日のイエレン講演は、これまでのスタンスを踏襲する内容となった。3日に発表された米雇用統計(5月)が衝撃的な内容だっただけに、条件付き利上げの示唆は予想の範囲内。雇用統計の内容はネガティブサプライズだったが、23日に英国でEU離脱の是非を問う国民投票が控えているタイミングを考えるならば、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げはもともと非現実的なシナリオである。英国がEU離脱となれば、欧州の政治&経済リスクまでがグローバル市場で急速に台頭するからである。よって、今回のFOMCで注視すべきは「7月の利上げシグナル」を発信してくるかどうかだろう。

イエレンFRBが「7月の利上げシグナル」を発信してきた場合、外為市場では資源国通貨や欧州通貨(ユーロ / ポンド)に対して素直にドル高で反応する展開が想定される。一方、ドルストレートの中で、一筋縄でいかないのがドル円(USD/JPY)だろう。株式動向がトレンドの決定要因となるからだ。3日の雇用統計発表後、利上げ観測の後退を受けドルと米金利は急落。対照的に米株の下落幅は限定的だった。そして週明けの米株は主要3市場が揃って反発した。これらの株価動向を考えるならば、現下のマーケットは「ドル高(利上げ観測の台頭)=株安」、「ドル安(利上げ観測の後退)=株高」の構図が形成されていることがわかる。事実、グローバル株式動向とドルインデックスを比較したチャートでは、3月以降、その点が明確化している。また、グローバル市場の動向に左右される日経平均とドル円(USD/JPY)との正の相関が2013年の異次元緩和導入以降、急速に高まっている点も考えるならば、ドル円(USD/JPY)はドル相場ではなく株式動向の影響をより受ける可能性が高いだろう。よって、イエレンFRBが「7月の利上げシグナル」を発信してきた場合は株式市場の下落圧力を警戒し、円高リスク、106円割れの105円台再トライの状況を常に警戒したい。


【比較チャート】緑ライン:ドルインデックス 青ライン:世界株式(MSCI)

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【比較チャート】緑ライン:ドル円 赤ライン:日経平均

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