3つのレンジ相場要因と3つのリスク要因

Market Overview

26日の海外外為市場では、ドル円が心理的節目の100円に向け下落する展開となった。この日は世界的な株安連鎖となり、米金利は各ゾーンで低下。「株安+米金利低下」のダブルパンチによりドル円はじりじりと値を下げ、100.24レベルまで下落した。欧州タイムでは堅調に推移していたクロス円も、NYタイムでは総じて円高優勢の展開となった。ポンド円は8月中旬以来となる節目の130円割れの局面が見られた。一方、米ドル相場は軟調地合いが継続するも、対ユーロでは欧州経済の先行き不透明感やテクニカル的要因も合わさり、1.12後半では米ドルのショートカバー圧力が強まった。

他の市場動向だが、欧米株式はドイツ銀行問題を震源とした金融セクターの下落がけん引役となり、総じて軟調地合いとなった。米金利は株安に追随。2年債利回りは一時0.73%割れの局面が見られた。一方、原油先物相場(WTI11月限)は、生産調整期待から急反発した(終値:45.93、前日比:+3.26%)。

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Analyst's view

26日は世界的な株安連鎖となった。特に欧米株式市場の下落の震源となったのが、ドイツ銀行問題(=モーゲージ担保証券の不正販売で米当局から140億ドルの支払いを要求されている問題)だった。先週にタイミング良く米金融引締めリスク(=ドル高リスク)が後退していることもあり、グローバル市場がこのままリスク回避ムード一色に陥る可能性は低い。しかし、昨日のドイツ銀行株の動向(7.5%安)や欧州金融セクターの反応(ストック50&600指数はともに約2%下落)を考えるならば、イタリアの国民投票が予定され且つドラギECBによる金融緩和の強化の可能性が再び意識されやすい10月以降、欧州金融リスクが再び台頭する可能性があることを昨日の動向は示唆している。

26日のレポートで今週の各市場におけるメインシナリオはレンジ相場と指摘した。その理由として挙げたのが①米金融引締めリスクの後退(=株安要因の後退)、②新たな材料待ち(=米指標データ、四半期決算)、そして③「日銀相場」となっている国内株式の動向(=円高圧力の相殺要因)だった。株式市場は続落中だが、年初来からの動向を考えるならば未だ高値圏にあり、直近の下落は調整の範囲内と言えるだろう。また、リスク回避相場に敏感なドル円も想定コアレンジの100.00を維持する状況が継続中。

直近の動向を考えるならば、上記のシナリオが破たんはレンジの下限ブレイクを意味しよう(ドル円なら100円ブレイク)。その理由として①本日の民主・共和両党の大統領選候補者の第1回テレビ討論会、②原油相場の動向、③欧州金融リスクが挙げられる。①に関しては、米株の調整圧力が強まっているタイミングで議論の結果、両者の支持率がさらに拮抗すれば、それは大統領選挙のさらなる不透明感を強めよう。これは、米株安要因となる可能性が高い。②に関しては、玉虫色の決着となる可能性があるリスクはある程度織り込みずみではあるものの、生産調整で産油国間の足並みが全く揃わない状況が露呈すれば「原油安→株安→円高」の連鎖が想定される。③は今後の報道次第で筆者の想定以上に早く意識される可能性がある。

尚、ドル円が100円ブレイクとなった場合は、円売り介入警戒感が台頭しよう。99円台のサポートポイントは99.54(8/16安値)と99.00(BREXIT1ショック時安値)の2つ。

【ドル円日足チャート】

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