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地政学リスクは一過性 焦点は米インフレ動向

Market Overview

9日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯した。北東アジアの地政学リスクとフランスのパリ郊外で車が兵士の集団に突っ込む事件が意識され、この日の欧米株式は総じて下落。株安は米金利の低下圧力を強め、米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは2.212%と、6月28日以来の水準まで低下する局面が見られた。株安&米金利の低下を背景にドル円は109.56まで下落した。その後は、米株の下げ幅縮小に伴い米金利も反発へ転じたことから、110円台へ上昇する局面が散見された。ユーロドルは1.1689まで下落した後、1.1760レベルまで反発する展開となった。

国際商品市況だが、NY原油先物9月限は3営業日ぶりに反発した。米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計で、原油在庫が6週続けて減少したことが好感され、前日比0.39ドル高の1バレル=49.56ドルで終了した。一方、NY金先物12 月限は、リスク回避の動きを受け上昇。前日比16.7ドル高の1トロイオンス=1,279.3ドルで終了した。一時1,284.7ドルと、6月14日以来となる高値を付ける局面が見られた。

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Analyst's view

トランプ米大統領の「炎と激怒」発言を受け、再び米朝間の緊張が高まっている。だが、昨日の米株は終盤にかけて下落幅が縮小した。イベントリスクに敏感なVIXやVSTOXXは上昇へ転じつつあるものの、未だ低水準の域を脱していない(チャート①参照)。また米株同様、米10年債利回りもNYタイムでは低下幅が縮小した。北朝鮮による核弾頭小型化の成功報道を受けて尚、欧米市場が上述した反応にとどまった点を考えるならば、米朝間で軍事衝突が発生しない限り、北東アジアの地政学リスクは一過性のリスク回避要因として捉えられる可能性が高いだろう。

明日のメインテーマは、7月米CPIとなろう。イエレンFRBは既に今年2回の利上げを実施し、バランスシートの縮小開始を12月から9月に前倒しする可能性も高まっている。持続的な米金融引き締めにもかかわらず、米ドル相場は3月FOMC以降、下落基調を辿っている。この主因は、2017年以降インフレ鈍化のトレンド化が懸念材料として浮上している点にあろう。よって、7月CPIが市場予想を下回るならば、低インフレに対する懸念がさらに強まり「米金利低下→米ドル安」の展開となろう。逆に市場予想以上ならば「米金利反発→米ドル買戻し」の展開を想定したい。

「冴えないCPI→米金利低下→米ドル安」の場合、ドル円の下値水準は株式動向次第となろう。海外株安を背景に東京時間はビッドが観測されている109円ミドルのトライを想定したい。だが、欧米株式が押し目買いで反発すれば「株高=円安」が米ドル安の相殺要因となり、109.50前後でサポートされる可能性が高まろう。逆に世界的な株安の連鎖が続けば、109.50をあっさりと下方ブレイクしよう。この展開は、108.13を起点とした短期サポートラインの下方ブレイクを意味することから、テクニカル面でもさらなる下落シグナルが点灯したと市場で捉えられよう(チャート②参照)。


【チャート①:欧米株式のボラティリティ】

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【チャート②:ドル円チャート】

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