トレンド化する米国のインフレ鈍化

Market Overview

1日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯する展開となった。混乱状態が続くトランプ政権の現状や冴えない米指標データが意識され、米10年債利回りは先月25日以来となる2.251%まで低下。米金利の低下はドル円の下落圧力を強め、NYタイムに節目の110円割れ。109.92レベルまで下落する局面が見られた。だが、この日は米独利回り格差が拡大したことで、ユーロドルが1.1785レベルまで下落する展開に。ユーロ高の調整に加え、原油先物価格の下落が資源&新興国通貨の売り圧力を強めたこともあり、米ドルを買い戻す動きが散見された。

米国株式は、主要3市場がそろって上昇した。良好な企業決算と金融セクターの規制緩和が好感され、ダウ平均は前日比0.33 %高の21, 963.92と、6日続伸し、5日連続で過去最高値を更新した。ナスダック総合は、アマゾンやフェイスブックといった主力ハイテク株の上昇を背景に4営業日ぶりに反発した。

NY原油先物9月限は利益確定売り優勢の展開となり、前日比2.01%安の1バレル=49.16ドルで取引を終了した。

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Analyst's view

インフレ鈍化とトランプ政権の混乱が、現在の「米金利低下→米ドル安」トレンドの主因である。後者の混乱に収拾の兆しが見えない状況を考えるならば、トレンド転換の鍵は前者のインフレ動向にある。しかし、6月PCE価格指数は前年同月比で1.4%増と横ばい。コアPCEは同1.5%増と、FEDが物価目標としてる2.0%には程遠い水準での推移が継続中。2017年以降、インフレ鈍化の傾向が鮮明となっているが、今回のPCEでインフレの鈍化がトレンド化していることがあらためて確認されたことで、「米金利低下→米ドル安」トレンドが今後も続く可能性が高まってきた。市場が注視する次の米指標データは7月雇用統計となるだろう。平均賃金の伸びが抑制されている状況が確認されれば、来週以降もドル円は米ドル安圧力が円安圧力を凌駕し、緩やかな下落基調が続くだろう。

本日のドル円は、ショートカバーを想定したい。110円割れとはなったものの、昨日の日足ローソク足は陽のコマが示現。先月11日以降、下落し続けてきただけに市場の気迷いが感じられる。だが、インフレ鈍化のトレンド化を考えるならば、戻りは限定的だろう。まずは110.60前後で推移している5日MAの攻防に注目したい(チャート参照)。また、株式動向、特にユーロ高圧力にさらされている欧州株式も注視したい。反落する場合、その影響が米株にも波及することで、ドル円のショートカバーが一時的な現象で終わる可能性がある。一方、ユーロドルは「米金利低下vs独金利低下」を背景に1.18を挟んだレンジ相場を想定したい。チャートポイントの詳細はテクニカルレポートにて。


【チャート:ドル円チャート】

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