焦点はECBイベント

Market Overview

昨日の海外外為市場は、ユーロ高を調整する地合いとなった。本日のECBイベントに対する思惑が交錯する中、この日の独10年債利回りは0.531%と、今月10日以来の水準まで低下した。これを受け米独利回り格差は拡大。外為市場ではユーロ高調整圧力が強まった。だが、米ドルへの売り圧力も継続したことから、ユーロドルは1.15台の維持に成功した。ユーロ円も今月13日以降、サポートポイントとして意識されている128.50を維持した。
一方、資源&新興国通貨は対ドルで堅調推移となった。この日のNY原油先物8月限は、米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計で原油在庫の減少が確認され続伸。原油先物相場との相関性が高いカナダドルとロシアルーブルは、対米ドルで2日連続の上昇となった。ブラジルレアルも上昇基調を維持し、対ドルで3.1441レベルまで上昇する局面が見られた。

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Analyst's view

本日のメインイベントはECB理事会とドラギ会見となろう。6月27日の講演でドラギ総裁は、ユーロ圏の景気回復に言及し、インフレ動向については「デフレからリフレに変わった」と述べた。しかし、6月のユーロ圏消費者物価指数は前年同月比で1.3%増と、4月以降鈍化傾向にある。ドラギ発言と実際のインフレ指標の相違が、金融緩和政策からの脱却に対する思惑が交錯する要因となっている。直近のインフレ鈍化傾向を踏まえ、ドラギ会見で金融緩和政策の変更について言及がなければ、外為市場では期待先行で上昇してきた独金利に低下圧力が強まろう。そして米独利回り格差が再び拡大することで、外為市場ではユーロ高調整地合いが加速する展開が想定される。この場合、ユーロドルは6月27日以降、サポートラインとして意識され続けてきた10日MAを下方ブレイクする可能性がある。10日MAの下方ブレイクは、さらなるユーロ高調整シグナルとして市場で捉えられ、今週中にサポートポイント1.1380レベルまで下落する展開が想定される。一方、ドラギ総裁が金融緩和政策からの脱却に意欲を示すならば、イエレンFRB同様、ドラギECBもインフレ鈍化以上に金融政策の正常化を意識していると市場は捉えよう。このケースでは「独金利上昇→米独利回り格差の拡大」を背景に、ユーロドルは1.16トライを想定したい。
国内では、日銀金融政策決定会合の結果公表と黒田総裁の会見が予定されている。今回の会合では現行の金融政策を維持するだろう。また、結果と合わせて公表される経済・物価情勢の展望(展望リポート)では物価見通しが下方修正されるだろう。これらの点についてはすでに報道されており、市場も織り込み済み。また、黒田総裁の会見も新味に欠ける内容となる可能性が高い。安倍政権の支持率急落を受けて尚,円高圧力が高まらない事実は、すでにアベノミクス自体が市場のメインテーマから外れているということだろう。世界的に株高トレンドが維持されている状況も合わせて考えるならば、日銀イベントで円高に振れたとしても一時的な現象で終わる可能性が高いだろう。目下のところ、ドル円のトレンドを見極める上で重要な材料は、2.26%を再び割り込んできた米10年債利回りの動向となろう。チャート①では、日米利回り格差とドル円のトレンドが連動していることがわかる。ドラギ会見を受け独金利が低下する場合、これに追随し米金利にも低下圧力が強まる可能性がある。この場合、ドル円は緩やかな下落トレンドを維持しよう。下値の焦点は、日足雲の上限が推移している111.25レベルの攻防となろう(チャート②参照)。直近高値114.50からの61.80%戻しが位置する111.00にはビッドが並んでいる。


【チャート①:ドル円と日米利回り格差】

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【チャート②:ドル円のテクニカルチャート】

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