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投機筋のポジション調整とイエレン証言

Market Overview

昨日の海外外為市場は、リスク選好ムードの継続を背景に根強い円売りが散見された。ただ、米国イベントを見極めたいとの思惑もあり、円相場の下落幅は限定的だった。6月米雇用統計の流れを引き継ぎドル円は114.30レベルまで上昇。ただ、この日の米金利が低下したことで5月高値114.37レベルのトライには失敗した。クロス円ではユーロ円の堅調推移が継続。この日は130.40レベルまで上昇する局面が見られた。
米国市場だが、米株は総じて堅調に推移した。ただ、この日の債券市場でポジション調整(=債券買い)圧力が強まり、10年債利回りは2.40%手前でキャップされる状況が続いた。これを受け金融株には売り圧力が強まり米株の上値を圧迫。米株主要3市場の上昇幅は限られた。国際商品市況では、WTI8月限がOPEC加盟国の協調減産に対する悲観論と米原油在庫の減少およびリビアとナイジェリアの生産制限に対する思惑が交錯し、前週末比0.17ドル高の1バレル=44.40ドルで取引を終えた。

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Analyst's view

フランスリスク後退後、再び強まった世界的な株高トレンドは未だ継続中(チャート①参照)。これに加え金融緩和の継続以外選択肢がない黒田日銀と欧米金融緩和政策の脱却観測が6月下旬以降意識され、円売り圧力がさらに強まっている。この点は、シカゴ通貨先物市場で確認できる。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が提供する投機筋の円売りポジション動向を確認すると、円の売越残高(対ドル)が今月3日時点で7万5千枚と、今年1月17日以来の水準にまで達している(チャート②参照)。通常、投機筋はポジションを保有しても長くて3か月程度であり、それ故、一時的なトレンドを発生させるインパクトはあっても、中長期で考えれば市場への影響はニュートラルである。2016年12月下旬に円売りポジションが8万7千枚に達した後、ドル円が下落した点を考えるならば、円ショートポジションが7万枚の水準を超えた現在の状況は、投機筋のポジション調整(=ニュートラルに戻す動き)を警戒すべき水準に達したと言える。ただ上述した通り、現在は世界的な株高トレンドが続いている。さらに金利にも期待先行の上昇圧力が強まり易い状況にあり、いわば、リスク選好の共存関係が構築されている。この状況が崩れない限り ー特に株高トレンドが変化しない限り、投機筋によるポジション調整圧力が高まっても、その影響は限定的となる可能性が高いだろう。
株高トレンドの阻害要因として目先注視すべきは、イエレン証言と米指標データとなろう。賃金の上昇圧力が高まらない状況では「賃金の上昇→個人の消費拡大→景気拡大スピードの加速→インフレ(期待)の高まり」という期待が市場で意識されることはない。しかし、それでもイエレンFRBが金融正常化の方を重要視しているとなれば、株式市場では金融引き締めの負の部分が意識される可能性が高まろう。特に、これまで米株高をけん引してきたハイテクセクターの動向には要注意。この点については、明日以降のレポートにて。また、ドル円、ユーロドルのチャートポイントは本日のテクニカルレポートを参照されたし。


【チャート①:主要株価指数の騰落率】

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【チャート②:投機筋の円ポジション動向】

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