市場のテーマはフランスから米国へ

Market Overview

8日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。6月の利上げ期待を背景にこの日の米金利は各ゾーンで上昇する展開に。米金融政策の方向性を織り込みやすい2年債利回りは1.342%と、2営業日連続で今年3月中旬以来の水準まで上昇する局面が見られた。一方、10年債利回りも2.39%と約1か月ぶりの水準まで反発。米金利の上昇は米ドル買い圧力を強め、ドル円は113.29レベルまで上昇した。一方、ユーロドルは、2016年高値1.1616レベルを起点とした長期レジスタンスラインで見事に上値がレジストされ反落。1.0916レベルまで下落する局面が見られた。

海外株式動向だが、主要な欧州株式はフランスリスクの後退を受けた買いが一服し、この日は利食い優勢の展開となった。一方、米株の主要3市場は横ばい推移となった。また、NY原油先物6月限(WTI)は、主要産油国による減産期待を背景に小幅に反発した。しかし、米国の生産増による供給過剰懸念は根強く、前週末比0.21ドル高の反発にとどまった。

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Analyst's view

レジスタンスラインの攻防を制したドル円とレジスタンスラインの攻防に敗れたユーロドル(チャート①&②を参照)。昨日の動向が示唆するところは、外為市場のメインテーマがフランスリスクから金融政策へシフトしたという点だろう。ユーロドルと米独10年債利回り格差の動向を比較したチャート③を確認すると、これまで低下傾向にあった米独金利差が反転基調へ転じつつある。この反転はフランスリスクの後退による独金利の上昇以上に米金融政策を意識した米金利の上昇圧力が強まってきたことを示唆している。事実、米金融政策の方向性を織り込みやすい2年債利回りは、フランス大統領選第1回投票が行われた直後の4月24日と比較し8.0%以上上昇している。10年債利回りのそれが5%である点を考えるならば、2年債利回りの急反発は明らかに市場が米利上げを意識していることを示唆している(チャート④参照)。
よって、目先の外為市場のトレンドを見極めるために注視すべきは米金利の動向ということになる。その米金利の変動要因として注視すべきは指標データだろう。今週は週後半に重要指標データの発表が予定されている。その中でも個人消費の動向を見極める上で参考となる4月小売売上高の内容に市場の関心が集中しよう。
レジスタンスラインを突破したドル円は、引き続き上値トライを想定したい。米金利の上昇に加え、現在は円高圧力を強めやすい株安要因も見当たらないからだ。目先の焦点は今年高安の50.00%戻しにあたる113.37前後。この水準の上方ブレイクは114円トライのシグナルと想定したい。一方昨日、日足転換線でかろうじてサポートされたユーロドルだが、米欧金融政策のコントラストを背景に米独金利差がこれまでの縮小傾向から拡大傾向へ転じる可能性が出てきた点を考えるならば、本日は1.09割れの展開を警戒したい。


【チャート①:ドル円テクニカルチャート】

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【チャート②:ユーロドルテクニカルチャート】

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【チャート③:ユーロドルと米独10年債利回り格差】

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【チャート④:米金利騰落率】

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