市場の耳目はトランプ演説に集中

Market Overview

27日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。この日の講演で中立派のカプラン・ダラス連銀総裁が利上げについて「利上げは遅いより早く実施すべき」と前向きな発言をした。この発言とトランプ演説を前にしたポジション調整が合わさり、米金利は各ゾーンで反発。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2.370%まで上昇する局面が見られた。米金利の上昇は米ドル買い圧力を強めた。ドル円は111.90台から高値112.84レベルまで急伸。一方ユーロドルは、この日の高値1.0630レベルから1.0580台まで米ドルのショートカバーが進行した。また、クロス円はドル円の上昇に追随し円安優勢の展開に。24日に年初来安値を更新したユーロ円は119.46レベルまで反発する局面が見られた。

海外株式動向だが、相変わらず米国株式の強さが目立つ展開となった。ダウ平均はトランプ政策への根強い期待を背景に1987年以来約30年ぶりとなる12日続伸の展開となった(終値:前週末比15ドル68セント高の2万0837ドル44セント)。S&P500とナスダックも続伸した。ただ、28日のトランプ演説の内容次第では市場の失望を誘う可能性もあることから上昇幅は限られた。NY原油先物4月限は供給過剰の改善期待と米国の原油在庫の増加懸念がせめぎ合いながらも、小幅に反発した(終値:前週末比0.06ドル高の1バレル54.05ドル)。

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Analyst's view

米東部時間28日21時(日本時間3月1日11時)にトランプ大統領による初の議会演説が予定されている。就任1期目の米大統領は年初に政権の方針を示す一般教書演説の代わりとして、議会演説で今後の方向性を示すことが慣例となっている。トランプ大統領は経済政策から外交まで幅広い分野についての基本的な政策を述べるだろう。市場の耳目は、27日のレポート「焦点は引き続き米国にあり / まずはトランプ演説を注視」で指摘した通り、経済政策に集中するだろう。トランプ大統領は今月9日、「今後2~3週間以内に驚くべき減税政策を発表する」と述べている。自ら設定した期限が今週末で切れる点を考えるならば、今回の議会演説で「驚くべき減税政策」に言及してくる可能性を市場が意識するのは当然だろう。トランプ減税とは、言い換えれば大規模な税制改革である。閣僚人事の混乱(準備不足)を考えるならば今回の議会演説で詳細を述べる可能性は低いが、概要(大まかな政策内容とロードマップ)について言及してくる可能性はある。それらが共和党と協調していける内容ならば市場はその実現性に期待しよう。米国市場は素直に「株高 / 米金利上昇」で反応しよう。米金利の上昇は米ドル買い圧力を強めよう。ただ、トランプ通商政策リスクが意識されている現状では(議会演説ではこの点についても言及する可能性がある)、その上昇幅は限定的となる可能性が高い。ドル円の上限は、15日の戻り高値115.00レベルまでと想定したい。逆に失望を誘う内容(実現性の低い内容)や税制改革について何も言及しない場合は、株式市場で失望感が広がり調整相場へ転換する可能性が出てくる。この場合は「株安→米金利低下→米ドル安」の展開が想定される。ドル円は目先の重要サポートポイント111.60レベルをトライ&下方ブレイクする展開を想定したい。

尚、トランプ演説以外で米金利と米ドルの変動要因となり得るのが、指標データとFEDスピーカーの言動だろう。昨日のカプラン発言に米金利が敏感に反応した点を考えるならば、より注視すべきは後者となろう。3月FOMCのブラックアウト期間が3月4日(土)から設定されていることを考えるならば、2日のブレイナードFRB理事(ハト派)の講演および3日のFEDツートップ(イエレン&フィッシャー)の言動が最も注目される。


【チャート:ドル円】

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