トランプ相場に第2の変化?

Market Overview

23日の海外外為市場は、米ドル売り優勢の展開となった。この日、ムニューチン米財務長官はTVインタビューで米ドル高懸念について指摘。これを受け米ドル相場には売り圧力が強まり、対円では112.55レベル、対ユーロでは1.0595レベルまでそれぞれ米ドル安が進行した。ロンドンフィキシング後には米ドルが買い戻される局面が見られた。しかし、金利動向に関するムニューチン発言(=長期にわたり低金利を続ける可能性)が意識され各ゾーンの金利は低下幅を拡大。このため米ドルのショートカバーは限定的だった。尚、米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2.372%と、今月9日以来の水準まで低下する局面が見られた。

海外株式動向だが、この日は強弱まちまちの展開となった。欧州株式は下落。冴えない英金融大手HSBCの決算や中国の銅需要が後退するとの観測が嫌気され、金融&鉱業セクターが下落のけん引役となった。対照的に米国株式市場では、ダウ平均が前日比34ドル72セント(0.2%)高の2万0810ドル32セントでこの日の取引を終え、10日連続で最高値を更新する展開に。NY原油先物相場は需給環境の改善期待を背景に反発。ただ、米国の原油在庫が1982年以来の高いレベルにあることから上昇幅は限定的だった(前日比0.86ドル高)。

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Analyst's view

ダウ平均が10日連続で過去最高値を更新するのは1987年1月以来、約30年ぶりとなる。S&P500とナスダックは反落する局面が散見されるものの、高値圏での攻防が継続中。米国株式市場では未だトランプ相場がメインテーマであり続けている。しかし、そのトランプ相場に第2の変化の兆しが見え始めている。最初の変化は米ドル相場の脱落だった。その主因がトランプ通商政策リスクにあることは、このレポートで指摘済み。そして第2の変化の兆しは、米国債券市場で芽生えている。米株(S&P500)と米金利(10年債利回り)の動向を比較したチャート①を確認すると、かい離が発生していることがわかる。米株とは対照的に、2017年入り後の米金利は上下に振れる不安定な状況が継続していたが、トランプ米大統領就任前後よりその状況に陥っている事実を考えるならば、債券市場ではトランプ政権の政策運営能力とイエレン金融政策に対する不透明感が意識されている可能性が高い(比較チャート②参照)。

前者の点で目先注視すべきは、「驚くべき減税政策」の中身だが、28日の議会演説でこの点について言及するかが注目される。ただ、人事面でのゴタゴタや大統領令の連発と反発という混乱状況の中では、現実的かつ効果的な減税政策を28日にまでにまとめることは出来ないだろう。できたとしても「驚くべき内容=非現実的内容」ならば、共和党との軋轢懸念(トランプ政権の政策運営能力への懸念)を生むことで、むしろ株式市場では失望感が広がるだろう。そうなれば不安定化している米金利にはさらに低下圧力が強まり、結果、外為市場では米ドルロングを解消する動きが加速しよう。後者の点で注視すべきは①指標データと②FEDサイドの発言である。イエレン発言の効果が薄れている現在の状況は、市場が未だFEDサイドの利上げスタンス(3月利上げ)を見極めきれていないことの証左だろう。そして今後注視すべきは、米ドル安を志向するトランプ政権との摩擦である。この点もイエレン金融政策の不透明感を強めよう
米金利の不安定化が続く中では、ドル円は引き続き111.60-115.00をレンジとしたこう着相場を想定したい。昨日、111.60を起点とした短期サポートラインを下方ブレイクしていることで、テクニカル面では111.60レベルを目指す可能性が高まってきた。一方、ユーロドルは今年最高値1.0829を起点とした短期レジスタンスライン(1.0610前後)のトライを想定したい。


【チャート①:米株と米金利の年初来パフォーマンス】

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【チャート②:米株と米金利の年初来パフォーマンス】

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