ドル円 / ユーロ円についての考察

Market Overview

12日の海外外為市場は、米ドル安優勢の展開が継続した。11日に行われた記者会見では、トランプ次期大統領による具体的な経済促進策への言及がなかったことで、トランプ政策への期待はにわかに後退中。米国債券市場では調整相場が継続し、米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは一時2.307%と、昨年11月30日以来の水準まで低下する局面が見られた。米金利の低下継続は外為市場での米ドル売り圧力を強め、ドル円はロンドン時間序盤に113.75レベルまで下落する局面が見られた。一方、ユーロドルは5日以降レジスタンスとして意識されてきた1.0620レベルを突破し、高値1.0684レベルまで米ドル売りが進行した。ただ、調整の域は出ず、NYタイムではそれぞれ104.70台、1.0610台まで米ドルが買い戻された。

海外株式動向だが、トランプ政策への期待が後退したことで欧米株式は総じて上値の重い展開となった。ただ、米ドル安に伴う国際商品市況の改善もあり、下落幅は限定的。ブラジルやメキシコといった新興国株式が堅調に推移した事実は、リスク選好ムードが完全に後退しているわけではないことを示唆している。NY原油先物相場(WTI2月限)は、米ドル安に加えサウジアラビアの減産も好感され続伸した。

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Analyst's view

11日のレポート「1月20日までは調整相場継続も」で指摘した通り、米国債券市場では調整相場(=債券買い/金利低下)が継続している(チャート①)。米ドル高のエンジンである金利の低下傾向は、今後も米ドル相場の押し下げ要因となろう。ただ、米国債券市場が調整相場入りの状況下にあっても、すかさず米ドルの買戻しが入る展開や米国株式が史上最高値圏を維持し続けている状況は、トランプ政策への期待が根強いことを示している。欧州や主要な新興国の株式も年初来でプラス圏を維持している事実や国際商品市況の改善傾向も考えるならば、円高圧力が急速に強まる可能性は低い。よって、目先は12月上旬安値113.00レベルを下限と想定し、下落しては反発の調整相場を繰り返しながら、1月20日のトランプ次期大統領就任式を迎えるシナリオを想定したい。尚、ドル円が反発する要因として目先注視すべきは、米指標データとなろう。上値ターゲットは、6日以降ローソク足の実体ベースで上値をレジストしている21日MA(116.75前後)を想定したい。

一方、ユーロ円の動向には注意が必要だろう。現状、121.00-124.00の3円レンジで売り買いが交錯中。だが日足チャートを確認すると、124.00レベルが強烈なレジスタンスポイントとして意識され、且つ直近は徐々に上値が切り下がっていることがわかる。また、週足チャートを確認すると昨年12月中旬以降、5週連続で一目/雲の突破に失敗し続け、且つ今週は大陰線が示現している(チャート②)。米独金利差縮小によりユーロドルは底堅さを増しているものの戻りが弱い事実は、現在、ユーロを積極的に買う投資家が少ないことを示している。今後はUKのハードブレクジットリスクや欧州選挙リスクが意識される局面へシフトしよう。今はトランプ政策期待により株式市場は株高維持となっているが、1月20日以降、その期待が急速に後退し且つ欧州政治リスクまで合わされば、円相場の中でユーロ円はポンド円とともに最も下落幅が拡大する通貨ペアとなる可能性がある。


【チャート①:米金利チャート】

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【チャート②:ユーロ円週足チャート】

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