ドル高継続も期待先行相場の危うさを警戒するフェーズへ

Market Overview

14日の海外外為市場は、米ドル高がさらに加速する展開となった。この日の米国債券市場も、12月利上げとトランプ次期大統領が提唱する経済政策への期待から各ゾーンの金利が上昇。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは、昨年12月下旬以来となる2.30%台まで急騰する局面が見られた。米株が高値圏を維持していることもありドル円は6月3日以来となる108.54レベルまで急上昇する展開に。一方、ユーロドルは1.0709レベルまで米ドル高が進行した。

他の市場動向だが、米国株式市場では、ダウ平均が3日連続で過去最高値を更新(1万8866ドル69セント)。ただ、ドル高や原油安が嫌気されS&P500の上値は抑制された。ナスダック総合も反落した。
一方、NY原油先物相場(WTI12月限)は、止まらない米ドル高と過剰供給懸念が嫌気され3日続落。原油安は資源国通貨や新興国通貨の重石となった。

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Analyst's view

米ドル相場の方向性を示すドルインデックスは14日、心理的節目の100.00ポイントを突破する局面が見られた(高値100.22、チャート1参照)。主因は米金利の上昇にある。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは上述の通り2.30%台まで急騰。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りも1.01%と今年1月以来の水準まで急騰している。前者は景気動向に敏感に反応し、後者は米金融政策の方向性を織り込みやすい性質を有している点を考えるならば、現在の米金利の上昇は、12月利上げと経済成長(=トランプ次期大統領が提唱している経済政策とそれに伴う経済成長)に対する期待が合わさっての上昇と考えられる。現在の状況が続く限り、ドル円はさらなる上値トライの展開を想定したい。目先の焦点は、今日現在109.00手前で推移している長期レジスタンスラインおよび心理的節目であり且つ厚いドル売りのオーダーが観測されている110.00の突破となろう(チャート2参照)。

警戒すべきは、現在の米金利上昇は、期待先行が軸となっている点だ。今年の円相場が示す通り、期待先行相場は軸となる「期待」が剥げ落ちた場合、それまでのトレンドが一変する。現在のドル円の上昇はこのリスクを内包していることを常に理解すべきだろう。この点を踏まえた上で目先注視すべきは、米利上げに対する市場センチメントの変化だろう。現在のドル高は利上げ期待が土台となっているからだ。その変化のきっかけとして注視すべきイベントは3つ。一点目は、14日のレポートでも指摘した米指標データだろう。二点目は、12月8日の欧州中央銀行(ECB)理事会である。直近のドラギ総裁の言動から、欧州市場はECBの緩和縮小(テーパリング)を警戒し始めている。事実、緩和政策を実施中にもかかわらず、独10年債利回りは9月下旬に底打ち感を強めて以降、上昇トレンドを形成中。来月のECB理事会後の会見でドラギ総裁がテーパリングについてのシグナルを発信してくる場合、欧州金利はさらに騰勢を強めよう。その過程で行き過ぎた米金利の上昇(=米債券安)に調整圧力が生じることで(=米債買い圧力が強まることで)、現在の米ドル高が一服する可能性がある。三点目のきっかけとして注視すべきは12月13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)だろう。この点については明日以降のレポートで述べる予定。


【チャート1:ドルインデックス】

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【チャート2:ドル円】

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