トレンド決定要因としての日米欧金利動向

Market Overview

11日の海外外為市場は、米ドル高トレンドが継続した。トランプ氏が提唱する経済政策への期待を背景に米国株式市場は高値圏を維持。一方、米国債券市場でもトランプ氏の経済政策が意識され各ゾーンの金利は上昇基調を維持した。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは今年1月中旬以来となる2.15%台まで急上昇した。一方、FEDの金融政策の方向性を織り込みやすい2年債利回りは5月以来となる0.9270%まで上昇する局面が見られた。これら市場動向が米ドル相場の支援要因となり、ユーロドルは10月25日以来となる1.0862レベルまでドル高が進行。ドル円も7月21日以来となる106.95レベルまで上昇する局面が見られた。

欧州株式は反落。利回り上昇により魅力が薄れたディフェンシブ銘柄の下落が相場を圧迫した。一方、米国株式は売り買いが交錯するも高値圏を維持した。

NY原油先物相場(WTI12月限)は、リスク選好よりも過剰供給懸念の方が意識され前日比1%以上反落する展開となった。

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Analyst's view

米大統領選挙後も米国株式は高値圏を維持している。特筆すべきは、米金利が急上昇する中、高値圏を維持している点だ(チャート①参照)。トランプ氏が次期大統領に就任することが決まった直後より、金利の上昇がさらに加速している点を考えるならば、マーケットはそのネガティブインパクトよりもトランプ氏が提唱している経済政策をより重要視していることがうかがえる。FEDによる利上げ観測が根強く意識される状況が続いている点も考えるならば、米国と日欧との金利差拡大の傾向は、来月13-14日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)まで続くと想定される。
今後の外為市場のトレンドを見極めていく上で、金利動向は非常に重要なファクターとなろう。ドル円は米大統領選挙後、日米10年債利回り格差との相関性をより強めている(チャート②参照)。一方、ユーロドルも米独金利差の急拡大が1.08台攻防シフトの主因となっている(チャート③参照)。今後発表される米指標データが総じて市場予想を上回るならば、米国マーケットは株高と金利上昇の共存関係を維持しよう。それに伴い外為市場では米ドル買い需要がさらに高まろう。

 

米ドル高トレンドの継続を軸と考える場合、ドル円の最大の焦点は7月21日の戻り高値107.49レベルの突破となろう。7月時のドル円の反発は、突如降って湧いたヘリマネ論や日銀による追加緩和期待が主因だった。つまり、ドル円の急反発の主役は「円売り」だった。だが、それは単なる期待先行相場だったことから、すぐに終息した。しかし、今回はFEDの継続的な利上げと米国政治のチェンジ(=米国議会における「ねじれ」の解消)というファンダメンタルズを背景とした「ドル高」が主役である。黒田日銀が提唱している長期金利の「0%固定化」が未だ現実化していない現状を考えるならば、金利差拡大を意識したトレードは継続しよう。上記レジスタンス107.49を突破する可能性が高まっていると想定したい。

一方、ユーロドルはドル円程単純ではないだろう。何故ならマーケットはドラギECBによる緩和縮小(テーパリング)を意識し始めているからだ。事実、日本の10年債利回りとは対照的に独10年債のそれは今年3月中旬以来となる0.32%台まで上昇する局面が見られた。直近はドル高優勢を想定しながらも、12月のECB理事会でドラギECBがテーパリングに対するメッセージをより強く発信してくるならば、ユーロドルのボラティリティの急拡大(=上下に大きく振れる不安定な状態)が想定される。


【チャート①:米国株式と米10年債利回り格差】

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【チャート②:ドル円と日米10年債利回り格差】

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【チャート③:ユーロドルと米独10年債利回り】

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