ドラギ発言とユーロ相場に要注意

Market Overview

19日の海外外為市場は、「株高+原油高」を背景に資源国&新興国通貨買い圧力が強まった。中でも荒い値動きとなったのが加ドルだった。カナダ中銀(BoC)声明では国内総生産(GDP)の見通しが下方修正され、且つポロズBoC総裁からは「追加緩和議論」の発言も聞かれた。しかし、原油高が相殺要因となり対米ドル、円そしてユーロで上下に激しく振れる展開となった。

一方、米ドル相場は対資源国&新興国での売りや米金利の上昇圧力が後退していることで軟調地合いに。ドル円はNYタイムに103.16レベルまで下落する局面が見られた。その米ドル相場以上に軟調地合いとなったのがユーロ相場だった。対ドルでは重要サポートポイント1.09ミドルをトライする局面が見られた。ユーロ円も9月30日以来となる113.12レベルまで急落する局面があった。

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Analyst's view

今週に入り米金利の上昇圧力には陰りが見える。連れて米ドル相場の上昇にも一服感が漂っている。しかし、米ドル以上に軟調地合いとなっているのがユーロ相場だ。10月に入りドラギECBによる緩和縮小観測が意識され、独連邦債利回りは上昇トレンドを描いてきた。だが、直近は再び緩和強化観測に関する報道が散見されるようになっており、これが独金利の圧迫要因となっている。独10年債利回りはプラス圏を維持しているものの、17日以降低下傾向にあり且つ米10年債利回りとの格差も再び拡大傾向にある点を考えるならば、緩和縮小よりも緩和強化(=債券買い入れ期間の延長)の方がより意識されていることは明白。ユーロ圏のデフレ懸念がくすぶり続けている(=9月のユーロ圏消費者物価コア指数は前年比0.8%増と5月以降伸び率が抑制状態となっている)こと、BREXITショックによる先行きが不透明であること、そして今年12月から来年秋にかけて欧州政治リスクが台頭する可能性があることを考えるならば、筆者も緩和強化を想定している。実際にドラギECBが動くのは12月の会合の可能性が高いが、米利上げ観測の再台頭と資源価格の回復基調が同時に発生しているこのタイミングの中、ドラギ総裁が本日の記者会見で緩和強化シグナルを発信すれば、ユーロ相場は対ドル&資源国通貨で下落幅が拡大しよう。ユーロ円も株高を背景とした円売り圧力よりもユーロ売り圧力の方が勝り、下値を模索する展開となろう。

本日はユーロドルの動向をより注視したい。トライアングルの下限、週足一目の雲そして節目の1.10レベルをことごとく下方ブレイクしていることで、テクニカル面ではダウンサイドリスクが高まっている。緩和強化観測が意識され重要サポートポイント1.0950レベルをも下方ブレイクした場合は、今年前半のサポートポイント1.08レベルを視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう。逆に緩和縮小観測が再台頭すれば、日足一目雲の下限(1.1159)を視野に急上昇する展開が想定される。


【比較チャート】

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【ユーロドルチャート】

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