ドル高維持を想定 ブラジルレアルは堅調推移か

Market Overview

17日の海外外為市場は、ドル高調整地合いとなった。米利上げに関する新たな材料がないことやECBの緩和縮小観測が意識され、ユーロドルは1.10台を挟んで底堅い展開となった。一方、ドル円は103.79レベルまで下落する局面が見られた。クロス円は欧米株式の軟調地合いも合わさり円高優勢地合いとなったが、NZD円は7-9月期のNZ四半期消費者物価が0.2%増と市場予想を上回ったことで、本日早朝に74.05レベルから74.64レベルまで急伸する局面が見られた。

他の市場動向だが、欧州株式は冴えない企業業績を背景に軟調地合いとなった。NY原油先物相場(WTI11月限)も米石油リグ稼動数の増加が嫌気され続落し、終値で50ドルの大台を割り込んだ。欧州株&原油相場の下落は米株の重石となり、ダウ工業株30種平均は9月14日以来、約1カ月ぶりの安値で終えた。株式の下落は米金利の低下圧力を強めた。ドル相場の押し上げ要因となっていた10年債利回りは1.76%台まで低下した。

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Analyst's view

週明けの外為市場はドル高調整地合いでのスタート。しかし、ドル円やユーロドルの変動幅が小さく、またドル相場との相関性が高まっている長期金利が高止まりしている現状も考えるならば、ドル高トレンド継続の可能性を常に意識したい。

注目すべきは米国市場の共存関係(=株高維持と金利上昇の同時発生)だが、比較チャート①を確認すると、米株は未だ市場最高値圏を維持している。昨日の米銀大手バンク・オブ・アメリカや玩具のハズブロの四半期決算を含め、目下のところ米企業決算は米株のサポート要因となっている。本日もゴールドマンサックスやブラックロックといった金融セクターをはじめ、ジョンソンアンドジョンソンやインテルの決算が控えている。総じて良好ならば株高維持に貢献しよう。また、9月の米消費者物価指数(CPI)が強い内容となれば、米金利には再び上昇圧力が強まろう。

問題は「冴えない企業決算+強い消費者物価指数→株安+米金利上昇」となった場合だろう。ドル相場は上値トライとなるだろうが、円相場は株安の方に反応しクロス円を中心に円高圧力が強まろう。ドル円はリトレースメント61.80%の104.67レベルを突破することは難しいだろう。また、上記の展開となれば原油相場をはじめとした国際商品市況の圧迫要因になると同時に、資源国&新興国通貨の圧迫要因ともなろう。
尚、新興国通貨で目先注視すべきは、ブラジルレアルだろう。18~19日にかけてブラジル中央銀行金融政策決定会合が開催される。9月下旬のインフレレポートで物価見通しを引き下げたことや先週ペトロブラスが予想外の燃料価格の引き下げを発表したことを受け、利下げ観測が高まっている。ドル高圧力が強まっているタイミングでの利下げとなればレアル安圧力が強まるだろう。ただ、同国の株式市場にとってはプラス要因となるため、レアル安となっても一時的となる可能性が高い。何故なら、2016年のブラジルレアルはボベスパ指数との相関性が高く(比較チャート②参照)、そのボベスパ指数は利下げ期待を背景に上昇基調を維持しているからだ(昨日は2013年1月以来の高値水準である62,696ポイントまで上昇した)。ドルレアルの上限(レアル安)は日足一目の基準線が推移している3.2650レベル前後と想定したい。一方、下限(レアル高)の焦点は3.16レベルとなろう。


【比較チャート①】

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【比較チャート②】

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