円高修正局面のシグナルが点灯

Market Overview

5日の海外外為市場は、円売り優勢の展開となった。株高、原油高そして良好な米指標データが米金利の上昇要因となり、ドル円は7連騰。9月6日以来となる103.67レベルまで急伸する局面が見られた。ドル円に追随しクロス円も同様の展開に。ドラギECBによる緩和縮小観測も重なっているユーロ円も9月2日以来となる116.25まで上昇した。

他の市場動向だが、欧州株式はドラギECBによる緩和縮小観測が重石となり続落。一方、米国株式は良好な9月ISM非製造業景況感指数と原油高を背景に反発した。ただ、9月米雇用統計の発表前ということもあり上昇幅は限定的だった。原油先物相場(WTI11月限)は米原油在庫の減少、ハリケーン「マシュー」による石油施設への悪影響が意識され一時は心理的節目の50ドルに迫る局面が見られた(高値49.97ドル)。米金利は「株高+原油高」を背景に続伸。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは6月3日以来となる0.8570%まで上昇する局面が見られた。

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Analyst's view

テクニカル面で円高修正シグナルが点灯
 

5日の円相場は、テクニカル面で重要な局面を迎えた。ひとつは、ドル円の日足一目雲の上方ブレイクだ。このテクニカルは2016年に入り一度も突破を許さず、テクニカル面での円高を演出し続けてきた。しかし、7連騰且つ大陽線の示現により5日の海外市場で難なく突破。NY引けベースでも雲の上限以上の水準を維持した(日足チャート参照)。

もうひとつはユーロ円の日足一目雲の突破だ。ドル円同様、2016年に入り上値をレジストし続けていた雲の上限を陽線により突破。NY引けでも雲の上限以上を維持しているが、より注視すべきはこのテクニカルとクロスしている長期レジスタンスラインをも同時に突破している点だろう(日足チャート参照)。重要テクニカルがクロスしているタイミングでの突破は、2016年に入り加速した円高を修正するシグナルのひとつと捉えることができよう。
 

注目度が増してきた9月の米雇用統計
 

テクニカル面で円高修正シグナルが点灯した点を考えるならば、目先は、ファンダメンタルズ面でその動き(=円高修正の動き)が加速するか否か、この点が注目ポイントとなろう。これを見極める上で注視すべきは9月の米雇用統計となろう。今週はじめまで筆者はこの指標が各市場に与える影響は限定的と想定していた。しかし、円相場が重要テクニカルをことごとく突破したことで、米雇用統計の結果は、さらなるドル高を加速させる要因にも、そして急速なドルロング調整を促す要因にもなり得るイベントとなってきた。円高修正の観点で考えるならば、より注視すべきは市場予想を上回る内容となった場合だろう。これまでならば、「強い雇用統計=米利上げリスク=株安要因」となる可能性を意識する必要があった。しかし、現状は米金利の急上昇に米株が持ち堪える状況となっている。この点を考慮するならば、強い雇用統計は素直に米国経済の底堅い成長を市場に想起させ、リスク選好(=株高維持と米金利上昇の共存)のドル高を誘発する可能性がある。この場合、ドル円は次の重要レジスタンスポイントである104.32(9/2高値)を突破する可能性が高い。それをも達成すれば円高修正局面の加速を意識し、107円ミドルまでの戻りの可能性を意識するフェーズへシフトしよう。


【ドル円チャート】

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【ユーロ円チャート:年初来】

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【ユーロ円チャート:直近約3ヵ月】

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