リスク要因は原油先物相場

Market Overview

27日の海外外為市場は明確な方向感は見られず、次の材料待ちの様相を呈した。円相場は株安を背景に欧州タイムは円高優勢で推移。しかし、米株が反発したことでNYタイムは円売りが散見。ドル円は100円前半を中心としたレンジ相場となった。一方、売り圧力が目立ったのがユーロだった。ドイツ銀行の経営不安を背景に独金利は低下。2年債利回りは過去最低水準での推移が継続。10年債のそれは7月12日以来となる-0.16%レベルまで急低下する局面が見られた。「株安+独金利低下」はユーロ売り圧力を強め、ユーロドルは一時1.12割れの局面あり。ユーロ円は目先のサポートポイント112.00視野に入れる状況が継続した。

他の市場動向だが、欧州株式はドイツ銀行の経営不安と原油安が重石となり軟調地合いに。対照的に米株は第1回の米大統領選候補のテレビ討論会で民主党のヒラリー・クリントン候補が優勢との見方を背景に反発。ただ、上昇幅は限られた。原油先物相場(WTI11月限)はイランが増産凍結に応じないスタンスを見せたことで前日比-2.74%の反落となった。米利回りは欧州利回りの低下に追随。10年債のそれは今月8日以来となる1.5460%まで低下する局面が見られた。

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Analyst's view

想定通り各市場では売り買いが交錯しレンジ相場の様相となっている。第1回米大統領選候補のテレビ討論会を波乱なくこなしたことで、レンジブレイクのきっかけとして次に注視すべきは原油相場の動向だろう。石油輸出国機構(OPEC)とロシアはアルジェリアで開かれる国際エネルギーフォーラムに合わせ、非公式会合を開く予定(28日)。増産凍結合意に関して様々な観測記事が飛び交っているが、目下のところWTIは売り買い交錯(42~48ドルのコアレンジ形成)の状況となり、テクニカル面ではトライアングルを形成中(日足チャート参照)。焦点はサウジアラビアの動向だが、米国とロシアの競争に神経を尖らしシェア獲得に躍起になっている同国が増産凍結合意の議論をリードする可能性は低い。よって、今回の非公式会合は良くて11月30日にウィーンで開かれる総会に向けた「地ならし会合」にとどまる可能性がある。この場合、原油相場には売り圧力が強まるだろうが、増産凍結合意の可能性も残ることからWTI は40ドル前後を維持すると思われる。株式市場はエネルギーセクターが下落の牽引役となるだろうが、米金融引締めリスク(=ドル高リスク)が後退していることもあり調整の範囲内でおさまろう。外為市場では、資源国&新興国通貨売りが一時的に強まるだろう。円相場は、株式の調整を背景に円高優勢で推移すると想定。

リスクシナリオとして警戒すべきは、産油国間の足並みがまったく揃わず、ウィーン総会でも決着する見通しが立たなくなるケースだろう。この場合、WTIは8月上旬の安値レベル(39.20レベル)を下方ブレイクする可能性を意識したい。原油相場の不安定化は株式市場の調整地合いを長引かせる要因となろう。また、原油相場の変動要因として23時30分発表の米週間原油在庫統計も重要材料となろう。

尚、本日は欧州サイドの要人講演(ドラギECB総裁、エストニア中銀総裁、ノルウェー中銀総裁、シャフィク英中銀副総裁)が目白押しとなっている。中でもドラギECB総裁の言動がユーロ相場の動向を左右する可能性もあり注視したい。特にトライアングル上限での攻防が続いているユーロドル、そしてサポートポイント112.00で神経戦の様相を呈し始めているユーロ円の動向を注視すべきだろう。また、イエレンFRB議長の議会証言が23時に予定されている。こちらも株式とドル相場の変動要因として注視したい。

 

【要人講演日程】
 

Time Event
22:30 ドラギECB総裁、独議会に出席
23:00 イエレンFRB議長、下院金融サービス委員会で議会証言

 


【WTI原油先物相場】

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