今週のメインシナリオはレンジ相場 波乱要因は原油市場

米利上げリスク(=ドル高リスク)の後退を受け、グローバル市場ではリスク選好優勢ムードが醸成中。重要経済イベントを消化し次の材料待ちという状況を考えるならば、今週の各市場のメインシナリオはレンジ相場。このシナリオを覆す材料として注視すべきは、石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合となろうー

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Analyst's view

日米金融政策イベント終了後、グローバル市場はリスク選好優勢ムードが俄かに高まっている。イエレンFRBがまたもや利上げを見送ったことで、目先、最大のリスク要因として警戒されていた米金融引き締めリスク(=ドル高リスク)が急速に後退。これを受け、グローバル株式市場と国際商品市況(CRB指数)はともに堅調地合いを維持している。日米の重要経済イベントを消化し、且つ今週はそれらに匹敵する経済イベントがないこと、そして米株の高値警戒感が意識される中、米重要指標データの発表と四半期決算シーズンが控えていることも考えるならば、今週のグローバル株式市場はレンジ相場で推移する可能性が高い。株式市場が安定的に推移すれば債券市場でも大きな値動きは見られないだろう。結果、外為市場も次の材料待ちムードが漂い、レンジ相場となる可能性が高い。特に円相場は、異次元緩和の限界が意識される一方(=円高圧力が続く一方)、「日銀相場」となっている国内株式動向(=株高を背景とした円安圧力)に挟まれる展開が想定される。

上記の思惑が外れるならば、そのきかっけは石油輸出国機構(OPEC)が28日にアルジェリアの首都アルジェで開く非公式会合となろう。国際エネルギー機関(IEA)は、今月13日に公表した月報で、原油市場の供給過剰状態は2017年前半まで続くとの見通しを示した。つい1か月前には、今年後半に需給が均衡するとの見方を示したばかりだったにもかかわらず、すぐに見通しの修正を余儀なくされた背景には、イランとイラクの原油生産能力の増強および過去最高水準に達したロシアの産油量にある。このような状況の中、シェアの維持に腐心するサウジアラビアが非公式会合で生産調整の議論をリードする可能性は低い。産油国間の足並みの乱れが露呈すれば、原油相場は不安定化しよう。その場合、株式市場ではエネルギーセクターを中心に調整圧力が強まり、外為市場ではリスク性の高い資源国&新興国通貨売り圧力が対ドルで強まろう。特に原油相場との相関性が高いカナダドルやロシアルーブルの下落幅拡大には警戒したい。対照的に最も選好されやすい通貨は円となろう。逆に、米金融引き締めリスクが後退しているタイミングでの生産調整合意となれば、リスク優勢ムードがさらに強まろう。この場合、外為市場は上記とは逆の展開となろう。

ドル円のコアレンジは心理的節目の100.00を下限、一目/雲の下限(日足、102.20台で推移中)を上限と想定。異次元緩和の限界が意識されていることで円高圧力はくすぶり続けているものの、目先は、①ドル高リスクの後退、②堅調なグローバル株式市場、③日本当局による口先介入が円売り要因となることでドル安圧力を相殺しよう。OPECの非公式会合がリスク選好要因となれば、一目/雲の攻防へシフトする可能性が出て来よう。

尚、今週は以下の表の通り日米欧の要人講演が目白押しとなっている。注視すべきはFEDスピーカーの言動だが、FOMC直後ということもあり、目新しい材料は出てこないだろう。米ドル相場を上下に動かす要因にはなるだろうが、市場の関心が指標データに集中している以上、トレンドを作り出すインパクトはないだろう。

【今週の日米欧の主な要人講演等】

Date Event
9月26日 安倍首相、所信表明演説
黒田日銀総裁、大阪経済4団体共催懇談会における挨拶
ドラギECB総裁、欧州議会で証言
タルーロFRB理事、講演
カプラン・ダラス連銀総裁、講演
9月27日 フィッシャーFRB副議長、講演
9月28日 ドラギECB総裁、独議会に出席
イエレンFRB議長、証言
ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
エバンス・シカゴ連銀総裁、講演
メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
9月29日 ジョージ・カンザスシティ連銀総裁、講演
黒田日銀総裁、全国証券大会における挨拶
ロックハート・アトランタ連銀総裁、講演
パウエルFRB理事、講演
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、講演
イエレンFRB議長、講演
9月30日 日銀・金融政策決定会合「主な意見」公表(9/20~21日開催分)

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