レンジ相場を想定も円高再燃には要警戒

Market Overview

22日の海外外為市場は、ダドリー / フィッシャー発言を受けたドルショートカバーが一服。原油安と米金利の低下を背景にドル相場は軟調地合いに。ドル円は100.21、ユーロドルは1.1330までドル安が進行した。一方、原油相場との相関性が高いカナダドルは対ドルで15日以来となる水準(1.2964)までカナダドル安が進行。ロシアルーブルも対ドルで12日以来の水準(64.83)まで売られる局面が見られた。

他の市場動向だが、米国株式は米利上げ懸念や原油安が重石となり横ばい圏で推移。原油先物相場(WTI9月限)は、イラクの原油輸出の増加計画等が意識され、一時47ドル割れの展開が見られた(終値:47.05)。米国債券市場では、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは6月23日以来となる0.78%台まで一時上昇。しかし、原油安を背景に0.74%台まで低下した。

bg_data_1552237

Analyst's view

ダドリー / フィッシャーの両FEDスピーカー発言は、金融政策の方向性に敏感な米2年債利回りを0.78%台の水準まで押し上げた。また、ドルLIBORの上昇も誘発し、短期金利差拡大を背景としたドル高圧力が高まる可能性が出てきた。ただ、22日のレポートで指摘した通り、現在の市場の関心は不透明感が増している米金融政策のフォーカスしている。その不透明感を払拭する鍵となるのが26日のイエレン講演だが、それまでは米金融政策を巡る思惑が交錯することで、外為市場をはじめ各市場は売り買い交錯のレンジ相場となろう。

円相場のメインシナリオもレンジ相場だが、リスク要因(=円高再加速要因)は原油相場と日経平均だろう。産油国間における生産調整期待を背景に、WTI9月限は再び50ドルを視野に入れる展開となっている。しかし、実際に供給過剰懸念が解消されたわけではない。事実、22日はイラクの原油輸出の増加計画、中国の燃料輸出増加そして石油掘削リグ稼働数が406基と8週連続で増加(米石油サービス会社ベーカー・ヒューズ調べ)していることが材料視され、WTI9月限は一時47ドル割れの展開となった。明日発表予定のEIA週間石油統計で市場に供給過剰懸念を意識させる内容となれば、原油安が加速しよう。原油安は株式市場の圧迫要因となり、株安は円高要因となろう。

日経平均もリスク要因として警戒したい。下の比較チャートでは、ドル円と日経平均の乖離が鮮明となっている。両市場の順相関関係の強さは、日米金融政策のコントラストが意識され始めた2006年以降から鮮明となっており、その関係は今年7月下旬まで続いていた。しかし7月中旬にその関係に乖離が生じはじめ、7月29日以降、円高が加速しているにもかかわらず上述した順相関関係が完全に崩壊している考えるならば、その主因が日銀によるETF買いにあることは明白(中旬の乖離はヘリマネ導入期待が要因)。現在の円高は国内外のファンダメンタルズに基づいた円高である。それ(ファンダメンタルズ)を無視した現在の乖離は、日経平均の下落というかたちで収斂される可能性が高いだろう。イエレン講演前に原油相場がそのトリガーとなるか、常に警戒したい。


【比較チャート】緑ライン:日経平均  赤ライン:ドル円(USD/JPY)

fundamental_0823_01

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 価格とウエイト

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。

  • 注文について

    ここでは、IG証券の取引プラットフォームを紹介し、多様な資産クラスを提供するCFDを有効に取引するための方法について説明いたします。また、ストップ注文やリミット注文などの機能、レバレッジ取引の仕組みについても解説いたします。

  • 外国為替の基礎知識

    世界最大で最も流動性の高い金融市場の仕組みについて理解します。どのように国際通貨が取引されているかをご説明し、ポピュラーマーケットの取引を開始する前に知っておくべき重要ポイントを押さえます。