今週の焦点は金融緩和相場の継続

Market Overview

12日に発表された米小売売上高(7月)は前月比で0.0%(コア指数:同-0.3%)と、市場予想を下回る内容となった。これを受け米利上げ観測は後退。外為市場ではドル安圧力が強まった。
今週は欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が公表される。「9月緩和強化」観測を高める内容となれば株式市場にとってはポジティブ要因となろう。一方、外為市場では欧州通貨売り(=ユーロ&ポンド売り)がより鮮明となろう。米利上げ観測の後退によりドル高リスクは後退している。しかし、この動き(=欧州通貨売り)がドル相場のトレンドに与える影響については、引き続き注視する必要があろう。

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Analyst's view

先週のグローバル株式市場の騰落率を確認すると、7月から8月にかけて過去最高値を更新したフィリピンとインドネシアの株式市場以外、軒並み上昇していることがわかる。主因は米利上げペースの後退観測と欧州勢の金融緩和強化に対する期待にあろう。通常ならば株高と金利の上昇は連動するはず。しかし、比較チャート①&②(株式市場と債券市場の動向を比較したチャート)を確認すると、米欧株式の上昇に米独金利が追随出来ず乖離の拡大傾向が鮮明となっている。現在の市場が金融緩和相場の状況に陥っていることの証左だろう。

今週の焦点は、金融緩和相場の継続にあろう。市場が抱く米国の早期利上げ確率(9月)は低迷し続けている(=FED Watch:9% / 金利市場:7.5%)。一方、欧州サイドでは、カーニー英BoEサイドが追加の利下げのシグナルを発信。そして来月にはドラギECBが金融緩和の強化に動く可能性が高まっている。18日に公表される議事要旨で、「BREXITリスク」を意識した金融緩和の強化についてのコンセンサスがドラギECB内で確立されていることが判明すれば、金融緩和相場の継続を促す要因となろう。外為市場では欧州通貨売りが鮮明となろう。その動き(=欧州通貨売り)を強める材料として、17日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨にも注視したい。7月のFOMC声明では経済見通しに対するリスクの後退を指摘してきた。指標データは早期利上げを促すほど強い内容が続いているわけではない。しかし、6月のFOMCからハト派色を薄めてきた点に、イエレンFRB内における金融政策の正常化に対する意志が垣間見える。今回の議事要旨で早期利上げに向けた積極的な議論がなされていたことが判明すれば、米欧金融政策のコントラストを背景に欧州通貨売りが加速しよう。ただしこのケースでは、金融緩和相場の継続に黄色信号が灯る可能性がある。

 

一方、円相場はまだら模様の展開が想定される。金融緩和相場が継続した場合、原油相場が反発基調にある点を考えるならば資源国通貨(=豪ドル円、加ドル円、NZD円)の上昇幅が拡大しよう。対照的に欧州通貨(=ユーロ円、ポンド円)の上昇幅は限られよう。一方、ドル円は「ドル安 vs 株高(円安)」を背景に100.70-102.70のコアレンジ内での推移が今週のメインシナリオ。米指標データやFOMC議事録でレンジを上昇ブレイクしても、テクニカル面で一目/雲の上限およびレジスタンスラインの突破に成功しない限り、常に節目の100円トライを想定すべきだろう(日足チャート参照)。

リスクシナリオとして注視すべきは、タカ派のFOMC議事要旨を背景としたドル高リスクだろう。これが意識されるならば「ドル高リスク→株安&原油安」を背景に円相場全体で円高圧力が強まる展開が想定される。ドル円は100.70ブレイクを警戒したい。


【比較チャート】赤ライン:米10年債利回り 緑ライン:米国株式(MSCI)

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【比較チャート】赤ライン:独10年債利回り 緑ライン:欧州株式(MSCI)

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【ドル円日足チャート】黄ライン:21日MA

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