日米金融政策、それぞれの焦点

Market Overview

4月入りしていからのドルインデックスは、94.00前後で底打ち感を強めている(=94.00-95.00を中心としたコアレンジを形成中)。特に目立ったドル買い材料が見当たらない中、3月以降続いてきたドル安圧力が後退している事実は、ドル相場全体が次のテーマへシフトしつつあるシグナルと捉えたい。その次なるテーマとは、イエレンFRBによる「6月利上げ」への思惑だろう。

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Analyst's view

米連邦公開市場委員会(FOMC)の焦点:ドル高転換でもリスク選好を維持できるか
イエレンFRBのスタンス(=6月利上げの可能性)を見極める上で注視すべきは、4月26-27日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)となろう。明確に「6月利上げ」シグナルを発信してくるならば、3月以降続いたドル相場の軟調地合いが一度終焉する展開を想定したい。その際、注視すべきは米金利の上昇に対して米国株式が現在のリスク選好トレンドを維持できるかどうかだろう。

ドルインデックスでの底打ち感が強まったタイミングと同じくして米金利への低下圧力も各ゾーンで後退している。ただ、その上昇スピードは米国株式(MSCI)のそれに及ばない(下図比較チャート参照)。米金融政策への不透明感が完全に払しょくされないからだ。しかし、「6月利上げ」シグナルの発信によりこの不透明感が払しょくされれば、期待先行で米金利に再び上昇圧力が強まることで、ドル相場(ドルインデックス)もドル高トレンドを描こう。ドル相場のトレンドが転換して尚、米国株式が株高を維持できるならば「リスク選好のドル高」が再来しよう。先週ネックラインである111.00を一気に突破したドル円(USD/JPY)は115円台回復を視野に上昇する可能性が高まろう(ただし短期的な揺り戻しと捉えたい)。一方、ユーロドルは1.10台の維持が再び下値の焦点として浮上しよう。

ただ、これまでの株高及び国際商品市況の反発を支えてきたのは「ドル安」である。その土台が崩れることは、リスク回避圧力を強める要因となり得ることも常に警戒しておきたい。

尚、イエレンFRBが「6月利上げ」シグナルを見送ってくるならば、その要因は海外リスクに求めよう。特に注目されるのは英国のEU離脱懸念(この是非を問う国民投票が6月に予定)とそれがユーロ圏経済に及ぼすネガティブインパクトへの警戒度合だろう。この状況を見極める重要性の方がイエレンFRB内で強く認識されていれば、「6月利上げ」シグナルは見送ってくると想定される。この場合は、外為市場でのドル安継続と株高及び国際商品市況のさらなる上値トライを想定したい。円相場はクロス円主体での円安トレンドが形成されよう。

日銀金融政策決定会合の焦点:金融緩和強化は一時的な「円安・株高」を誘発する可能性あり
ドル円(USD/JPY)は22日、一部通信社による「金融機関への貸出し金利のマイナス化」報道を受け、111円後半レベルまで急伸した(高値111.81)。

日銀による金融緩和強化への思惑が市場で交錯しているが、まず念頭に置くべきは、現在のグローバル市場動向が1月とは真逆であるという点だろう。1月会合でのマイナス金利導入は、グローバル市場全体がリスク回避圧力に覆われているタイミングでの決定だった。しかし、現在のグローバル市場はリスク選好の状況下にある。よって、日銀が今週の会合で「質・量・金利」と総合的な緩和強化に動いた場合、リスク選好という土台を上手く踏み台にした「円安+株高」を誘発する可能性が高いだろう。その場合、ドル円相場は下記「Technical analysis highlights」で指摘しているテクニカルポイントを突破し、115円台を一気に目指す展開が想定される。

だが、日銀の思惑通り「円安・株高」の展開となっても、その賞味期限(=円安・株高の継続期間)はグローバル市場の動向次第という冷徹な現実を常に意識すべきだろう(1月会合後の円高・株安がこの点を示唆している)。そしてグローバル市場のトレンドは、上述したようにFOMC後のドル相場のトレンドに左右される可能性があろう。

【比較チャート】緑ライン:米国株式(MSCI) 赤ライン:米2年債利回り

ドルインデックス、米2年債利回り比較チャート

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