焦点はドル相場と米株の動向

Market Overview

13日の海外外為市場では、ドル高優勢の展開となった。この日の原油価格(WTI5月限)は反落。米週間石油在庫統計で原油在庫が増加したことが嫌気され利益確定売り優勢の展開となった。原油価格の反落は、外為市場での新興国通貨売りとドルショートカバーを誘発。また、これまでドル安の受け皿となっていた円やユーロに対してもドルを買い戻す展開となった。ドル円(USD/JPY)は8日高値109.10レベルを突破すると高値109.41レベルまで上昇。ユーロドル(EUR/USD)は21日MAを下方ブレイクし1.1268レベルまでドル高が進行する局面が見られた。一方、クロス円はドル高が株高の影響を相殺しレンジ相場の展開に。欧州通貨ペア(ユーロ円 / スイス円)はドルストレートでの欧州通貨売り受け、円高優勢の展開となった。

米債券市場では、この日の10年債入札の需要が旺盛だったことそして米指標データが総じて冴えない内容となったことを受け小幅に低下。ただ、2年債利回りだけは小幅に上昇した。

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Analyst's view

昨日の外為市場はドル高優勢の展開となった。この日の米指標データは冴えない内容が続き、米金利の上昇圧力は抑制されたタイミングでのドル高には正直違和感があるが、この動向がイエレンFRBのハト派スタンスを完全に織り込んでの動きならば、今後外為市場の焦点はドル高トレンドの回帰となろう。

だが、ドル高は現在の米株にとってはネガティブ要因である。下図比較チャートは、米株(MSCI)と長期金利(10年債利回り)の動向を比較しているが、2月中旬以降両市場の乖離が鮮明となっている。
この乖離は米金利が米株の上昇に追随出来ずに生じているが、ではその背景にあるのは何か?それは2つある。1つめは、世界的な緩和レース、特に日欧の金融緩和強化の影響だろう。これにより相対的に米債への投資妙味が増していることで、海外から米債券市場へ資金がシフトしているがため、米金利は年明け以降低下傾向が続き、且つ株高に追随できずにいる(=米金利が上昇すれば利回り妙味から米債買い圧力が強まるため追随できずにいる)。
2つめは、イエレンFRBの緩和スタンスだろう。そして後者の点があらためて確認された後に乖離が広がっている点を考えるならば、より後者の影響が大きいと想定される。よって、イエレンFRBの緩和スタンスが完全に市場に織り込まれ場合、この乖離は縮小しよう。それが米金利の上昇によるのか米株の下落によるのか、この点を左右するのが今週より本格化している米四半期決算となろう。昨日発表されたJPモルガンの1-3月期決算は減収減益だったが1株利益が市場予想を上回ったため、ダウ平均を構成する30銘柄で最大の上昇幅となった。本日はバンク・オブ・アメリカ、15日にシティグループなど金融大手の決算発表が相次ぐが、良好な決算内容となれば米金利の上昇により米株との乖離が縮小されることで、外為市場ではドル高トレンド再形成の機運が高まろう。逆に総じて冴えない内容となれば米株の下落が米金利との乖離の縮小要因となり、ドル円の110円再上昇の可能性は後退しよう。クロス円も総じて上値の重い展開が想定される。

【比較チャート】緑ライン:米株(MSCI) 赤ライン:米長期金利(10年債利回り)

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