G20、米企業決算、原油増産凍結協議の観測報道

Market Overview

今週、注目すべき経済イベントは、以下の3つとなろう。

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Analyst's view

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議

まずは、14日に米国のワシントンで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議である。G20に先だって公表される国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しでは、新興国経済の低迷(特に中国の景気減速)を理由に2016年の世界全体の成長率予測が今年1月時点の3.4%から下方修正される可能性が高い。G20会合では不透明感強まる世界経済を下支えするため、前回の上海会合に続き各国間の財政出動による景気対策が主題となろう(中国はすでにインフラ建設のための財政出動を表明)。
だが、現在の世界経済が克服すべきは慢性的な需要不足(=供給過剰)である(中国政府は石炭と鉄鋼での余剰人員を180万人と試算)。従来のケインズ型政策でこの需要を早期に解消できるかどうかは疑わしく、また各国の財政状況や政策も異なる。このため利害が異なる各国間が迅速、適切且つ国際協調的な財政政策での合意に到達できるかは不透明であり、新味に欠けた合意ならば市場への影響は限られよう。
外為市場での円高が加速するのか後退するのか、この点を見極める上では下記2つの材料の方がより重要となろう。

米国企業の四半期決算

円高トレンドの行方を見極める観点で、より注視すべきは米国企業の四半期決算だろう。トムソン・ロイターによれば、今月8日時点の主要500社の1株当たり利益は前年同期比で7.6%減少する見通しとなっている。中国経済の減速、新興国市場の低迷そして原油価格の急落といったネガティブインパクトが上記の予想を超えて米国企業のファンダメンタルズに悪影響を及ぼしていることが確認されれば、米国株式の圧迫要因となろう。現在のリスク選好の先導役が米国株式であることは8日のレポートで指摘済みだが、その先導役が不在となればグローバル株式も再び不安定化しよう。そして外為市場では円高がさらに加速しよう。ドル円は105円台を視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう。一方、ユーロドルは、リスク回避(=株安)を背景とした米金利の低下に伴う米独金利差の縮小を背景に1.14台での堅調な推移が想定される。また、目先の攻防分岐であるリトレースメント76.40%の1.1433レベルをローソク足の実体ベースで完全に突破する場合は、1.15台の攻防へシフトする展開を想定したい。

原油増産凍結協議の観測報道

円高トレンドの行方を見極めるもう一つの材料として、原油価格の動向にも注視したい。17日にカタールのドーハで開催予定の増産凍結協議を巡る思惑が交錯し、原油価格(WTI)は40ドル手前で不安定な動きが続いている。今週はこの協議に関する観測報道により原油価格が左右されよう。悲観的な論調が散見されれば、WTIは35ドルレベルを割り込む展開が想定され株式市場の圧迫要因となろう。「原油安+株安」となれば外為市場では円高が加速しよう。ドル円の下値目途は上記の通り。また、対ドルでの資源国通貨下落を受けクロス円では豪ドル円、カナダ円といった通貨ペアの下げ幅拡大が想定される。
一方、増産凍結合意の観測報道が散見されればWTIは再び40ドル台の攻防へシフトするだろうが、リスク選好回帰ムードが強まるかどうかは上記の米四半期決算の内容も見極める必要がある。総じて市場予想を下回るようならば、原油高の影響が相殺され、円相場やドル相場は売り買い交錯のレンジ相場となる可能性が高いだろう。

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