拡大傾向にある歪な状況

Market Overview

25日の海外外為市場は、原油価格の反発と堅調な欧米株式動向を背景に資源国通貨買い優勢の展開となった。原油価格との相関性が高い加ドルは、対ドルで前日比+1.0%以上上昇する展開に(USD/CADは下落基調を維持し節目の1.35トライが視野に)。対ユーロでも同様の展開となり、EUR/AUDは1月5日以来となる心理的節目の1.50を一気に下方ブレイクした(安値1.4907)。豪ドル、ロシアルーブルそしてノルウェークローネも対ドルで堅調に推移した。
ただ、リスク選好の状況下ではドル買い圧力も同時に強まり(良好な内容となった耐久財受注の影響もあり)、USD/JPYは113円台を回復する局面が見られた(高値113.02)。一方、EUR/USDは1.1050レベルまで上昇すると上値がレジストされる状況は変わらず。円相場も総じて円安優勢の展開で推移した。

チャート

Analyst's view

原油価格(WTI)は30ドル前半でレンジ相場を形成中。一部で報じられたベネズエラのデルピノ石油・鉱業相による発言(=増産凍結で合意した4カ国が3月中旬に会合を開くことを決めたとの発言)が、原油価格のサポート要因となったとの指摘がある。しかし、WTI日足チャートでは相変わらず35ドルレベルの突破に四苦八苦する状況が継続中。中国情勢(=内需縮小懸念)、イラン情勢(=増産スタンス)そして米国情勢(=原油在庫が過去最高水準に達している状況且つ原油価格の回復が米シェール企業の息を吹き返す要因)を考えるならば、引き続き原油価格の不安定化を想定したい。

実際、米債券市場では原油価格の不安定化とそれが米経済へ波及するリスクを織り込む動きが継続中。比較チャート①は米国株式(MSCI)と米長期金利(10年債利回り)の乖離が拡大傾向にあることを示唆している。この点は、年初来からのパフォーマンス比較分析で顕著に見られる(比較チャート②)。グローバル株式(MSCI)と米国株式(同)のパフォーマンスが連動している状況は、米株がグローバル株式の牽引役となっていることを示している。しかし、これら株式パフォーマンスと米長期金利(10年債利回り)のそれとの乖離が拡大傾向にあるこの歪な状況は、米株が崩れることで収斂される可能性の方が現時点では高いだろう。

直近の外為市場はG20会合前にタイミングよく「原油価格反発+株式反発」となっていることでポジション調整主体の動き(ドル買い / 円売り)となっている。しかし円安が限定的であること、そしてドルインデックスが22日以降、日足の一目/基準線及びリトレースメント50.00%がクロスしている水準(97.50レベル)で反発圧力が後退している事実は、上述したリスク要因が意識され直近のリスク選好優勢トレンドが内包する脆弱性を敏感に感じ取っているとも言えよう。G20は各国の利害が絡み合い効果的な協調政策を打ち出せる可能性は低い。USD/JPYはリスク選好とリスク回避圧力に挟まれ、111.00-115.00のレンジ相場で上下に振れる展開が想定される。チャートポイントに関しては、下記「Technical analysis highlights」を参照されたし。

【比較チャート①】青ライン:米国株式(MSCI) 赤ライン:米長期金利(10年債利回り)

チャート MSCI

【比較チャート②】青ライン:米国株式(MSCI)緑ライン:グローバル株式(MSCI)赤ライン:米長期金利(10年債利回り)

チャート MSCI 米金利

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