リスク回避優勢も短期的なドルショートカバーを警戒

Market Overview

4日の海外外為市場は、米ドル安継続の展開となった。この日発表された米指標データは、昨年後半から米国経済が失速している兆候を示す内容となった。「米国経済への先行き不透明感→利上げペース減速への懸念→金利の低下」というプロセルを経て、外為市場では米ドル売り圧力がさらに加速。USD/JPYは1月21日以来となる116.50レベルまで急落した。一方、クロス円も総じて円高優勢の展開となった。対ユーロでもドル安が進行し、昨年10月22日以来となる1.1239レベルまでEUR/USDは上伸した。

この日のNY原油先物相場は、根強い過剰供給懸念を背景に反落。外為市場では、原油安による資源国通貨売り圧力以上にドル売り圧力の方が勝り、資源国通貨及び新興国通貨は対ドルで堅調に推移する展開となった。

チャート

Analyst's view

4日のグローバル市場の動向は、年明け以降から続く不安定な状況から脱し切れていない事実を端的に表現したという点で非常に興味深い。ドル安は概して原油価格の押し上げ要因である。しかしこの日は、ドル安の加速に加え海外株式市場が総じて堅調に推移したにもかかわらず原油価格は反落した。国際商品市況全体を見渡しても、CRB指数は重要テクニカルポイント(レジスタンスライン・日足の一目/基準線)で上値がレジストされる状況が継続している(下図チャート参照)。また、米株続伸にもかかわらず米債券市場では各ゾーンの利回りが総じて低下している事実、さらには海外外為市場で円高圧力が強まった事実も鑑みるに、現在のグローバル市場は依然としてリスク回避優勢の状況にあると言えるだろう。

4日のレポートで指摘した「ドル安≠リスク選好回帰の鍵」という観測が正しければ、目先その鍵を握る要因はどこにあるのか?それは、産油国間における大幅な減産合意であることは指摘済み。先週、ロシアサイドから「2月の協調減産協議」に関する情報がリークされた。しかしその後この点に関する進展が全く見られない点を考えるならば、市場は産油国間における協調減産の可能性は極めて低い(ゴールドマン・サックス)との考えに立ち、ドル安による原油価格の反発は今後も限定的となろう。その結果、グローバル株式市場にも下押し圧力がかかり続けることで、外為市場では円&ユーロ買い優勢の状況が継続しよう。

ただ、2月に入ってからのドル安には行き過ぎの感があるのも事実(=米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは3%以上下落)。本日発表される米雇用統計(1月)が市場予想を上回るようならば、素直にドルショートカバーの展開を想定したい。ただ、ドル相場が反発しても、各指標データでは昨年後半からの米経済失速の兆候が見て取れることから、ショートカバーは一時的な現象となろう。チャートポイントについては「IGテクニカル分析」を参照されたし。

【CRB指数日足チャート】【CRB指数日足チャート】

CRB指数チャート

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