焦点は産油国の動向

Market Overview

20日の欧米株式は、中国リスクを背景に総崩れとなったアジア株式や止まらない原油安を背景に売り一色の展開となった。ドイツDAX指数は約1年1カ月ぶりの水準まで下落。ダウ平均も昨年8月25日以来およそ5カ月ぶりの安値を付けた。

世界的な株安の連鎖は米金利への低下圧力を強め(=2年債利回りは昨年11月4日以来となる0.80%割れ、10年債のそれは昨年10月2日以来となる1.94%割れの局面が見られ)、その影響は外為市場へもドル売り圧力となって波及した。USD/JPYは約1年ぶりに115円台(安値115.97)まで下落する局面が見られた。一方、EUR/USDはレンジの上限である1.10手前(高値1.0976)までドル安が進行した。ただ、米国株式が取引終盤にかけて下げ幅を縮小したことで対円&ユーロでドルを買い戻す動きが強まり、USD/JPYは117円台を回復、EUR/USDは1.09割れの展開となりレンジ相場はかろうじて継続したまま本日の東京時間を迎えている。

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Analyst's view

昨日が最終取引日となった2月限のNY原油先物価格は一時26.19ドルと、期近物としては2003年5月8日以来、約12年8カ月ぶりの安値水準まで下落した。この日発表された米金融大手ゴールドマンサックスの決算も振るわなかった(純利益は前年同月比65%減の7億6500万ドル)となれば、世界的な株安連鎖となるのは自明の理。ただ、20日のレポートでも指摘した通り、米国株式(S&P500株価指数)と原油相場(WTI)との相関係数が0.95という高い順相関の関係にある以上(チャート①参照)、昨日の決算内容が総じて良好だったとしてもその影響は原油安で相殺されていただろう。

焦点は引き続き原油相場の動向だが、チャート②を見ると標準誤差回帰分析バンドの下限まで急低下し、その後反転していることがわかる。この状況を考えるならば、テクニカル面では一度ショートカバー(=原油買戻し)の展開となる可能性があろう。ただ、テクニカル面で売られ過ぎのシグナルが点灯しても、最終的には需給というファンダメンタルズで価格が決定される以上、反発余地は限定的だろう。原油相場が安定するためには、産油国間(OPEC加盟国と非加盟国間)での大幅な減産合意が必要だが、その合意がなされるかどうかは遅くとも3月のOPEC総会まで待つ必要がある。ただ、生産コスト割れとなっている一部の産油国からは臨時会合開催の要請があるとの情報もあり「臨時会合開催→大幅減産で合意」となれば、3月まで待たずにファンダメンタルズ面での買い戻し材料が出現することで、1バレル=38ドルレベルまで一気に戻る展開があり得よう(チャート②参照)。

その場合、外為市場では資源国通貨のショートカバー圧力が強まろう。また、「原油反発→株式市場安定化」によるリスク選好を背景に円&ユーロには一転して売り圧力が強まろう。

【チャート①:S&P500指数とWTIの相関関係チャート】

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【チャート②:WTI日足チャート】

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