市場の不安定化 継続を想定

Market Overview

週明けの欧州株式市場は中国リスクと原油安が引き続き意識され、総じて軟調地合いとなった。下げを主導したのは金融セクター。ストック欧州600指数は年初来からの下落率が10%を超え、18日は2014年12月以来の安値(328.64)で引けた。欧州株の軟調地合いを背景に、独10年債利回りは0.47%前後で終始抑制された。

一方、外為市場ではNY株式・債券・商品市場が休場のため大きな値動きは見られず、ドル・円・ユーロ相場ともに売り買いが交錯する展開となった。USD/JPYは117円台、EUR/USDは1.08台後半でこう着したまま、本日の東京時間を迎えている。

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Analyst's view

18日のグローバル株式動向(除米株)を見る限り、年初から続くリスク回避のトレンドに大きな変化は見られない。この点を端的に示しているのが、比較チャート①。グローバル株式市場のパフォーマンスが低下することで、昨年10月中旬以降、再び拡大傾向にあった国際商品市況(CRB指数)との乖離はついに収斂。リスク回避の震源地は言うまでもなく中国だが、同国における経済の構造改革が短期で完遂できるものでない以上、目先は原油相場の安定化が喫緊の課題となろう。しかし、この点に関しても産油国の政治的な対立が先行き不透明感が強めている。よって、今後もグローバル市場の不安定化が継続することを想定しておきたい。

本日は中国の各マクロ指標データが発表される。10-12月期の国内総生産(GDP)をはじめ総じて市場予想を上回るならば、年初から下落スピードが速かったグローバル株式ではショートカバーの展開が想定される。ただ、上述した懸念を考えるならば、それがトレンド化する可能性は低いだろう。
15日に発表された2015年12月の人民元建て新規融資は5978億元と、前月(11月)の7089億元及び市場予想の7000億元をともに下回る結果となった。中国当局は2014年11月以降、6回の利下げと5回の預金準備率引き下げを行ってきたが、新規融資の低迷は、これまでの金融緩和が奏功していないことを示している。やはり根本的な問題が供給過剰(=生産過剰)にある以上、金融政策での対策では限界があろう(=市場へ働きかける短期的効果しかない)。おそらくこの点は中国当局も認識しており、だからこそ同国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設を主導し、アジアを中心とした「一帯一路」圏でのインフラ開発を通して新たな需要喚起と人民元の国際化を目指していると思われる。ただ、AIIBの活動効果がすぐに発揮されるわけではなく、よって本日の指標データが好調であっても、リスク選好ムードは一過性で終わる可能性が高いだろう。

また、原油相場に関しては、米国の経済動向も懸念材料として浮上してきた。それを示すのが、比較チャート②。昨年の米利上げ以降、米10年債利回りが米国株式とCRB指数のパフォーマンスに追随するかたちで低下基調を辿っている。これは国際商品市況(特に原油相場)の低迷が米国経済にネガティブインパクトを及ぼす点を懸念していることを示唆している。実際、1月以降発表された米指標データはどれも冴えない内容となっており、今週の指標データ(住宅関連指標データ)が市場予想を下回るならば、米経済に対する先行き不透明感が強まることでエネルギー需要のさらなる縮小懸念を市場関係者に早期させよう。

【比較チャート①】青:グローバル株式(MSCI)  赤:CRB指数

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【比較チャート②】黄:米国株式(MSCI)  赤:CRB指数  青:米10年債利回り

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