商品市況の短期的なショートカバーに要警戒

Market Overview 

9日のグローバル市場はリスクオフ一色の展開となった。米週間石油在庫統計で原油在庫が11週間ぶりの大幅減となったことを受けNY原油先物相場(1月限)は一時反発するも、過剰供給懸念は根強く4日続落。不安定な原油相場は引き続き株式市場の重石となり、欧米株式市場はリスクオフの展開となった。新興国株式も総じて軟調地合いに。株式市場でのリスクオフは米金利の低下を誘発。米金利の低下は外為市場でのドル売りと円&ユーロ買い圧力を強め、USD/JPYは11月4日以来となる121.07レベルまで急落。一方、EUR/USDは節目の1.10レベルを突破し、1.1043レベルまでユーロ高/ドル安が進行した。

本日早朝、ニュージーランド中央銀行(RBNZ)は予想通り政策金利を2.50%へ引き下げた。利下げは織り込み済みであったことから発表直後のNZDは対ドル&円で上昇する局面が見られた。しかし、声明では状況次第での追加緩和の可能性とNZDの更なる下落の必要性に言及していることもあり対ドルで0.67ミドル、対円では82円レベルで上値がレジストされる状況が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

チャート

Fundamentals Analysis Highlights

筆者は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に外為市場はドル売り優勢(=ドルロング調整地合い)へ転じると予測していた。しかし、その予想よりも早くドルロングを調整する動きが出始めている。背景にあるのは、リスクオフに伴う円&ユーロ買い圧力がドル買い圧力を凌駕しているためだが、クロス円(EUR・GBP・CHF)の動向を確認すると、ユーロをはじめとした欧州通貨買い圧力以上に円買い圧力の方が強いことがうかがえる。

米FOMC前に現在のドルロング調整地合いが加速するかどうかは、株式動向次第だろう。その株式市場は商品市況に右往左往する状況が継続中。ファンダメンタルズ面では商品市況が早期に反発する状況にない。しかし、直近のエネルギー価格の急落(約7年ぶりの安値水準まで急落)や中国の輸入が18.8%減(10月)から8.7%減(11月)へ縮小したことが材料視され、短期的且つ投機的なショートカバーを誘発する可能性があろう。商品市況でショートカバーが発生すれば、エネルギーセクターが反発することで欧米株式市場をサポートしよう。株式の反発は米金利の反発を誘発し、外為市場では再びドル買い圧力が強まるだろう。

Today’s Outlook

上記の通り、直近の商品市況の急落は短期的且つ投機的なショートカバーを誘発しやすい状況にある。アジア時間は世界的な株安を受けリスクオフ優勢の展開が想定される。特に日足の一目/基準線を下方ブレイクしている日経平均は「株安+円高」のダブルパンチにより、再び1万9,000円(テクニカル面では90日移動平均線19,071.65)を視野に入れる可能性があろう。日経続落ならば、円相場は円高優勢で推移しよう。USD/JPYのサポートポイントは「Technical analysis highlights」参照されたい。
問題は、海外時間で商品市況のショートカバーが入るかどうか。そのような展開となれば各市場は上述した展開となろう。

本日は欧州要人の講演(18:00リッカネン・フィンランド中銀総裁、19:00ヤズベツ・スロベニア中銀総裁、20:30クーレECB専務理事、03:00バイトマン独連銀総裁、03:30カーニー英中銀総裁らの各講演)が目白押しとなっている。ユーロ相場を左右する可能性があり要注意。また、21:00の英中銀議事録の内容でポンド相場が上下に振れる可能性もある。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.35:一目/基準線&転換線 122.00:レジスタンスポイント
サポート 121.00:サポートポイント 120.90:リトレースメント50.00%

11月中旬以降、相場をサポートし続けてきた122.00をあっさりと下方ブレイク。次の攻防分岐は121.00前後。121.10-121.00にはビッドが並んでいる。また、リトレースメント50.00%(10月からの高安)が120.90レベルにある。
一方、上値の焦点だが、現在の商品&株式動向を考えるならば反発余地は乏しい。目先は122円台の回復が焦点。テクニカル面では日足の一目/基準線(赤ライン)と転換線(緑ライン)がクロスしている122.35前後を突破できるかが注目される。

EUR/USD

レジスタンス 1.1118:リトレースメント50.00% 1.1101:一目/雲の上限
サポート 1.0800:サポートポイント 1.0800:10日MA

節目の1.10突破に成功。次のターゲットは1.11前後で推移している日足の一目/雲の上限。このテクニカルをも突破した場合は、リトレースメント50.00%水準の1.1118(8月-12月高安)までショートカバーが進行する可能性があろう。ただ、10月22/23日の動向を考えるならば、より重要な攻防分岐は後者だろう。
一方、下値は引き続き1.08及び10日MA(緑ライン)の維持が焦点となろう。

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