リスク選好回帰は米株次第

アナリストの視点-リスク選好回帰の兆しは見えるが

株式チャート

6日の欧州株式市場は、ECBによる緩和強化観測を背景に続伸。一方、米国株式市場は上値の重い展開に。国際通貨基金(IMF)はこの日、最新(2015/2016年度)の世界経済見通しを公表したが、7月時点の予測から世界経済全体の成長率を下方修正。米国の利上げリスクについても言及する等、景気先行きへの懸念を示す内容が米株の圧迫要因となった。米株の反落は金利の低下圧力と外為市場でのドル売り / 円&ユーロ買い圧力を強めた。

一方、円相場はドルストレートでのドル安を背景にクロス円が上昇する展開となった。クロス円の上昇はUSD/JPYの下落圧力の相殺要因となり、120円台を維持したまま、本日の東京時間を迎えている。

IMFによる最新の世界経済見通しによれば、資源価格低迷を背景に新興国経済の成長率が鈍化すると指摘し、2015年及び来年の世界経済全体の成長率を7月時点の予測から0.2ポイントずつ下方修正(2015:3.1% / 2016:3.6%)してきた。

この内容に対して米株は上記の通りリスク回避で反応。興味深いのは、昨日の商品相場で原油、金そして銅の先物価格が総じて堅調に推移したことだ。
また、今週に入り外為市場では、資源国通貨及び新興国通貨に底打ち感が出始めている。これらの動向は米利上げ時期の先送り期待が意識されていることの証左だが、このままリスク選好へ回帰するかどうかは、何度も指摘している通り株式動向次第だろう。各地域の株価パフォーマンスを比較したチャート(黄:US・青:EU・赤:APAC・緑:BRIC黄:US・青:EU・赤:APAC・緑:BRIC)をみると、FOMC後の下落幅を埋めることには成功したものの中国リスクが意識される前の水準まではまだ遠く、且つFOMC前の高値水準で反落の兆しが見える点も考えるならば、世界経済の先行き不透明感を背景にグローバル株式市場がこのまま低空飛行を続ける可能性は否定できない。浮上のきっかけはリスク回避局面でも他の地域と比較し堅調に推移している米株(上図チャート:黄ライン)にあろう。その米株のトレンドは四半期決算次第となろう。

本日の焦点-黒田日銀の動向

本日の外為市場も株式にらみの展開となろう。注視すべきは黒田日銀の動向だろう。政策決定会合では現行の政策を維持するだろうが、午後の記者会見で黒田総裁が緩和強化について言及してくれば、円安圧力を強めよう。また、海外時間では日欧による同時緩和強化期待が意識され欧米株式市場も株高で反応する可能性が高い。その場合、円売りが加速する一方、ユーロも対ドルで下値を模索する展開となろう。資源国通貨は商品市況次第だが、「米利上げリスクの後退」+「日欧の同時緩和強化期待」を背景に資源価格が上昇すれば、対円&ユーロで上昇幅を拡大させよう。対ドルでも堅調に推移しよう。

一方、緩和強化について何ら振れることがなければ一時的に円高圧力が強まろう。それがさらに加速するかどうかは、欧米の株式動向次第となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.00:レンジの上限 120.90:200日MA
サポート 119.96:一目/転換線 119.00:レンジの下限

攻防分岐は120.50-90。日足の雲(120.48-120.90)及び200日200日MA(青ライン)が密集しているこのゾーンを突破出来ない限り、119円割れリスクは残る。尚、121.00から121円ミドルにかけては断続的にオファーが並んでいる。
一方、目先のサポートポイントは日足の一目/転換線(黄ライン)。すぐ上の120.00にはビッドが観測されている。下方ブレイクした場合は、1日の安値レベル119.50及びレンジの下限である119.00での攻防を注視したい。

EUR/USD

レジスタンス 1.1300:レンジの上限 1.1280:トライアングル上限
サポート 1.1170:トライアングル下限 1.1156:89日MA

トライアングルの上限と下限、どちらをブレイクするかが焦点。上限ブレイクの場合は、レンジの上限である1.13を突破する展開を想定したい。一方、下限ブレイクの場合は、89日MAを維持できるかが次の焦点となろう。このMA下の1.1140下にはストップが置かれており要注意。一方、オファーは1.1300及び1.1320に観測されている。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 配当金

    株式なくしては、各国の経済に不可欠な株式市場は成り立たないでしょう。ここでは、株式取引が個人投資家の収入源と大きな資産になる一方、いかに企業の拡大・成長につながるかということを学びます。

  • 取引所と価格

    商品は、ほぼすべての製品の裏側の不可欠要素として、近代経済になくてはならないものです。不安定ながらも価値の高い天然資源が、幅広い取引の世界でどのような位置を占めるのか学んでいきます。

  • 取引プランとは

    取引プランは、取引目標を明確にして達成する上で使用できるツールの一つです。ここでは、個人の計画を立てる方法と、それを実行する方法について解説いたします。