円高の加速に要注意

アナリストの視点-円高の加速に要注意

トレーダー

28日の海外市場はリスク回避優勢の展開となった。中国の景気減速懸念、スイス資源大手グレンコアの経営問題そして独フォルクスワーゲンの排ガス不正問題が嫌気され、主要な欧州株式市場は2%超下落する展開に。欧州株式の動向を受け米国株式市場も序盤から売り優勢の展開となった。株安を受け米金利は各ゾーンで低下。「株安/米金利低下」を背景にUSD/JPYは119.69まで下落。クロス円も資源国通貨や英ポンドを中心に円買い優勢の展開となった。一方、円以上に買い圧力が強まったのがユーロだった。EUR/JPYは、EUR/USDの上昇(89日MAでサポートされると1.12ミドル手前まで上昇)を背景に134.90手前まで反発。他のユーロクロスも総じて堅調に推移した。商品市況ではNY原油先物が3営業日ぶりに反落し、NY金先物も続落する展開となった。

8月の米個人消費支出(PCEコア・デフレーター)は市場予想の範囲内。株式市場での不安定化も継続中。ドル高の持続性には2つの条件-良好な米指標データ&株高維持-をクリアすることが必須条件と昨日のレポートで指摘したが、現在の市場動向を鑑みるに、ドル相場は売り買いが交錯するレンジ相場となる可能性が出てきた。

むしろ注視すべきは、①米利上げリスク、②不安定な株式市場、③「異次元緩和」の優位性の後退を背景とした円高加速の方だろう。①と②は連動している。中国の景気減速懸念等を背景にグローバル株式市場で不安定な状況が続く中、イエレンFRB議長は年内利上げを敢行するスタンスを崩していない。来月2日の米雇用統計(9月分)が強すぎる内容となれば、米金融引締めリスクまでが意識されることで、グローバル株式市場の不安定化が長引く可能性がある。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の日独金利(10年債利回り)の低下幅とEUR/JPYの上値の重さを考えるならば、欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測の前に「異次元緩和」の優位性が後退している兆しが見える。来月1日の日銀短観が下振れして尚、黒田日銀が現状の楽観スタンスを崩すことがなければ(昨日の講演でも黒田総裁はこれまで通りのスタンスを維持)、その優勢性はさらに後退しよう。上記の株安が継続すれば、目先は円相場全体がさらに円高へ振れる展開も想定される。

本日の焦点-株式にらみの一日

本日の外為市場は株式にらみの一日となろう。欧米株式市場が総崩れとなったことで、国内株式も下値を模索する展開が想定される。上海株式も同様の展開となれば、外為市場では総じて円高優勢の展開となろう。この場合、USD/JPYの焦点は119.00、EUR/JPYのそれは4日安値132.23を起点とした短期サポートライン(今日現在133.50レベル)の維持となろう。

海外時間も東京時間同様株式にらみの展開が継続しよう。また、日本時間19時30分のクーンECB理事の講演と翌30日4時40分のカーニー英中銀総裁の講演内容にも注目したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.00:レジスンタスポイント 120.91:200日MA(青ライン)
サポート 119.00:サポートポイント 118.40:サポートポイント

目先は119.00-121.00のレンジを想定。上下のチャートポイントは上記の通り。昨日、NYの終値ベースで120円を下方ブレイクした点を考えるならば、ダウンサイドリスクを警戒したい。
尚、直近のオーダー状況だが121.00及び121.30前後にはオファーが観測されている。119.50及び119.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1283:一目/転換線(赤ライン) 1.1235:10日MA(青ライン)
サポート 1.1147:89日MA(緑ライン) 1.1130:短期サポートライン

10日MAが本日の攻防分岐となろう。昨日はこのMAでレジストされたが、本日ローソク足の実体ベースで上方ブレイクに成功すれば、日足の一目/転換線を視野にユーロ高加速を想定したい。
逆に10日MAで2日連続上値がレジストされれば、89日MA及び短期サポートラインを再び視野に入れる展開となろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.1250及び1.1300にはオファーが観測されている。一方、1.1100にはビッドの観測あり。

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