グローバル株式動向を注視

アナリストの視点-FOMC、またも利上げ見送り

FRB

17日のNY外為市場は、この日の連邦公開市場委員会(FOMC)でイエレンFRBが利上げを見送り且つ声明文がハト派寄りとなったことを受けドル売り圧力が強まった。EUR/USDは重要テクニカルポイントを上方ブレイクし、高値1.1441レベルまで急伸。USD/JPYは120円割れの局面が見られた(安値119.79)。一方、FOMC後の資源国通貨は対ドルで「往って来い」の展開に。新興国通貨も同様の展開となった。
他の市場動向だが、主要な米国株式は終盤にかけて買いが失速、新興国株式は強弱まちまちの展開に。また、米国債券市場ではFOMC後、各ゾーンで利回りが急低下(=債券買い優勢)となった。特に米金融政策の方向性に敏感な2年債のそれは、一気に0.70%台の水準を下方ブレイクする展開となった。

今回の連邦公開市場委員会(FOMC)は、昨日のレポートで筆者が指摘した「ベストシナリオ」寄りの内容となったが、年内利上げ観測を後退させるほどハト派声明文とはならなかった。
今回の声明文で注視すべきは、「Data dependency-指標データ次第」のスタンスを維持しながらも、「Recent global economic and financial developments may restrain economic activity somewhat and are likely to put further downward pressure on inflation in the near term.」と指摘し、海外リスク(=特に中国をはじめとした新興国リスク)が米経済成長の阻害要因になる可能性があると指摘してきた点だろう。「may」を使用しているあたり、イエレンFRB内でも今後の海外リスクの動向とそれが米経済に及ぼすネガティブインパクトの度合いについて意見が分かれていることを示唆している。米利上げリスクとドル高リスクの後退は、株式市場や商品市況にとってポジティブ要因だが、昨日の米株が取引き終盤にかけて失速し、NY原油先物が前日比でマイナスに終わり、そして上述した資源国通貨が「往って来い」の展開となった事実は、マーケットも次の焦点である世界経済の先行き不透明感をすでに先取りし始めていることを示唆している。
ただ、現在グローバル市場で意識されている2大リスク  ー米金融引締めリスク(ドル高リスク) / 中国の景気減速リスクー  のうち、前者のリスクがひとまず後退したこと、そして今後欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測が意識される展開が想定されることを考えるならば、グローバル株式市場は徐々に安定化してこよう。一方、9月後半の外為市場はドル安優勢の展開が想定される。EUR/USDの上限は1.16レベル、USD/JPYの下限は118.40レベルと想定。資源国通貨も対ドルで下げ止まりの展開となる可能性があるが、上値トライは資源価格の動向次第となろう。ただ、株式市場の安定化が継続すれば、徐々に米金利への低下圧力が後退しよう。9月後半から10月前半にかけて発表される米指標データが総じて市場予想を上回る内容となれば、ドル相場の反転機運は徐々に強まろう。

本日の焦点-FOMCの結果を受けたグローバル株式市場の反応

FOMC後、米国株式市場は失速。未だリスク選好回帰への力がぜい弱であることを示唆する展開となった。ただ、FOMC前のリスク選好トレンドを考えるならば、イベント後の調整売りと捉えることもできる。米金融引締めリスクと世界経済の先行き不透明感、どちらがより意識されるか-本日のグローバル株式市場はこの点を見極めるリトマス試験紙となろう。
アジア時間の焦点は日中の株式動向に集中しよう。米金融引締めリスクの後退を好感し日経225及び上海株式の両市場が堅調に推移すれば、外為市場では「株高オンリーのリスク選好」を背景に、円&ドル売り優勢の展開となろう。対照的に(上海株式上昇が意識され)資源国通貨は堅調に推移する可能性があろう。欧州通貨も対ドルで堅調に推移しよう。

日中株式が総じて堅調に推移すれば、欧米株式も底堅い展開となる可能性が高まろう。その場合、外為市場では上記の展開が継続する可能性があろう。逆に軟調地合いとなれば、円高優勢の展開となろう。その場合、USD/JPYは119円台の維持が焦点となろう。

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