2大リスクを背景にリスク選好回帰ムードは感じられず

アナリストの視点-現在のリスク回避局面では円が最強通貨に

チャート

週明けの欧州株式市場は小幅に反発。一方、海外外為市場はNY市場が休場ということもあり動意の薄い展開となった。EUR/USDは1.11ミドル前後、USD/JPYは119円前半でこう着状態が継続。中国の景気減速懸念を背景に資源国通貨は対ドル&円で上値の重い展開となった。オセアニア時間でも目立った値動きは見られずEUR/USDは1.1170台、USD/JPYは119.20台で推移したまま本日の東京時間を迎えている。

焦点は引き続きグローバル株式市場の動向となろう。昨日のアジア株式は軟調地合い、主要な欧州株式は堅調地合いと対照的な値動きとなったが、後者の上昇幅は限定的。リスク選好回帰のへのムードは依然として弱く、2大リスク(=中国リスク / 米利上げリスク)を背景としたグローバル株式市場の不安定化は継続する可能性が高い。

その場合、外為市場では円&ユーロ買いの展開が想定される。ただ、ここにきて欧州中央銀行(ECB)による量的緩和第2弾の可能性が浮上してきたことで、対ドルでのユーロ買いは限定的となり、且つ現在のリスク回避局面ではユーロ以上に円が買われやすい状況へと変化している点は要注意。特に注視すべきは後者の点だろう。EUR/JPYの下落(円高圧力>ユーロ高圧力)が対円における他の欧州通貨での売り圧力を強めれば(リスク回避局面ではスイスフラン-CHFも買われやすい通貨だがCHF/JPYの下落幅は拡大中)、クロス円全体での円高のけん引役となろう。「株安+クロス円での円高」となれば、9月利上げ観測が意識されドル買い圧力が強まっても、USD/JPYだけは下落トレンドを辿る展開が想定される。

本日の焦点-2大リスクを警戒

7日の中国株式市場は、総じて軟調地合いでスタート。特に上海総合指数は前営業日比2.5%安となり、4営業日連続の続落となった。8月下旬に打ち出した追加緩和の効果が早くも切れている状況が浮き彫りとなる中、本日発表予定の貿易収支(8月)で輸入が大きく減少していることが確認されれば、同国の内需縮小懸念が意識され、中国株式のさらなる下押し要因となろう。上海総合指数が再び節目の3000ポイント割れとなれば、日本を含めた他のアジア株式市場のレジスト要因となり、外為市場ではリスク回避の円高圧力が強まろう。この場合、ドル円は目先の攻防分岐である118.40レベルを維持出来るかが注目される。

海外時間では、米労働市場情勢指数(8月、LMCI)が市場予想(=15)を上回った場合の米国株式の反応に注目したい。労働市場の改善が素直に株高で反応するならば、米金利にも上昇圧力が強まることで、外為市場ではドル買い優勢の展開となろう。逆に9月利上げ懸念の方が意識され米国株式が下落で反応するならば、外為市場では円&ユーロ買い圧力が強まろう。ただ、上述の通りEUR/USDに関しては欧州中央銀行(ECB)による量的緩和第2弾の可能性が意識されていることもあり、上値は限定的となる可能性が高い。チャートポイントに関しては下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.50:レジスタンスポイント 120.23:10日MA
サポート 118.40:重要サポートポイント 117.30:ボリンジャーバンド下限

焦点は引き続き118.40レベルの維持となろう。このレベルは、今年前半に相場をサポートし続け、125円到達の土台となった経緯がある。116円台急落時には、ローソク足の実体ベースで相場をサポートした経緯もある。さらに8月高安のリトレースメント76.40%が位置している点も考えるなら、重要な攻防分岐の水準と言えるだろう。
118.40レベルを完全に下方ブレイクした場合は、ボリンジャーバンド下限(緑ライン、MA21 / σ2.0 )が次のターゲットとして浮上しょう。逆にこの水準を維持した場合は、10日MA(赤ライン)を突破できるかが注目される。
尚、直近のオーダー状況だが119.70及び120.00にはオファー、119.00及び118.円ミドル前後にはビッドがそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1226:日足一目/転換線 1.1211:21日MA
サポート 1.1123:一目/雲の上限 1.1087:9/3安値

日足の一目/雲の上限でひとまずサポートされた。ただ、1.22前半に推移する10日MA(青ライン)及び一目/転換線(黄ライン)を突破しない限り、常に雲の攻防へシフトする展開を想定しておきたい。その場合、注視すべきサポートポイントは9月3日安値1.1087及び1.1715からのリトレースメント76.40%1.1053となろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.1180から1.1200にかけては断続的にオファーが観測されている。一方、ビッドは1.1100及び1.1050前後に観測あり。

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