焦点は米指標データとグローバル株式動向

アナリストの視点-焦点は米指標データとグローバル株式動向

トレーダー

今週の焦点は、米指標データとグローバル株式市場の動向にあろう―

フィッシャー連邦準備理事会(FRB)副議長は29日、労働市場の持続的な改善とそれに伴うインフレの正常化について指摘。ただ、肝心の利上げ時期については明言を避けた。9月利上げについてイエレンFRBの態度が未だ煮え切らない背景にあるのは、ここにきて海外リスクへの警戒感が急速に強まっていることがある。フィッシャー副議長は中国の景気減速懸念とその波及リスクについて注視すると指摘。26日にはニューヨーク連銀のダドリー総裁も海外リスクの高まりを理由に9月利上げの必然性が数週間前よりも低下したと言及している。ただ、ジャクソンホールのシンポジウムに参加した各地区連銀総裁の中には9月利上げを支持する意見も聞かれ、フィッシャー副議長も9月16-17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを実施する可能性を排除しないスタンスを示した。

イエレンFRBが9月利上げの最終決断を下すならば、その要因となるのは今週の米重要指標データとなろう。雇用統計(8月分)をはじめ、今週の指標データが総じて市場予想を上回る内容となれば、中国の景気減速懸念とその波及リスクが強く意識された今夏以降も米国経済が堅調に推移し続けていることが確認でき、その結果、利上げを見送るリスクとそのリスクを後退させるために9月利上げが実施されるとの思惑がマーケットで急速に再台頭しよう。

このような展開となった場合、注視すべきは米国株式市場の反応だろう。29日のダウ工業株30種平均は利上げ懸念を背景に3日ぶりに反落。対して米2年債利回りは0.70%台の水準を堅持した。今週の米指標データ、特に4日の雇用統計(8月)が良好な内容となれば、米国債券市場では9月利上げの可能性を背景にさらに金利に上昇圧力がかかるだろう。そのような展開となって尚、米国株式市場が現在の回復基調を維持できるならば、外為市場ではリスク選好(米株高+金利上昇)のドル高地合いとなろう。対照的に円とユーロには売り圧力が強まろう。資源国通貨や新興国通貨でもドル高優勢の展開となろう。

逆に、良好な米指標データが9月利上げ「懸念」を台頭させ米国株式の圧迫要因となれば、グローバル株式市場が再び不安定化する可能性ある。この場合、外為市場では一時的なドル高(特に対資源国&新興国通貨でのドル高)が散見されるだろう。しかし、グローバル株式市場の不安定化に伴い、徐々に対円&ユーロでドル売りが進行しよう。

本日の焦点-フィッシャー発言を受けた週明けの株式動向

マーケットの焦点は中国リスクから米利上げ時期にシフトしている。先週末、フィッシャー副議長が9月利上げの可能性を排除しなかったことで、ダウ平均は上記の通り3日ぶりに反落し、米金利上昇とそれに伴うドル高リスクを十分に吸収できるほどの耐性が未だ整っていないことを示唆した。
先週末の米国株式の動向を受け、週明けのグローバル株式市場で再び上値が重くなれば、円相場では円高優勢の展開となろう。ユーロ相場も底堅く推移しよう。
資源国通貨は商品市場、特に原油相場にらみの展開となろう。ただ、原油相場の反発基調が継続しても、本日の米国マーケットが「株安・金利上昇」となれば資源国通貨の上場幅は28日同様限定的となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.00:レジスタンスポイント 121.82:リトレースメント61.80%
サポート 120.65:8/28安値 120.00:サポートポイント

10日MA(赤ライン、121.55)及びリトレースメント61.80%が上値の焦点として浮上。これらテクニカルを突破した場合は、ネックライン122.00が次のターゲットとして浮上しよう。122.00及び122.50にはオファーが観測されている。
一方、下値は120円台の維持が焦点となろう。120.50及び120.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1310:8/28高値 1.1286:10日MA
サポート 1.1179:リトレースメント61.80% 1.1145:21日MA

上限を10日MA(赤ライン)、下限を21日MA(緑ライン)と想定。21日MAブレイクならば、ストップを巻き込み1.10台の攻防へ再シフトする展開を想定したい。
一方、10日MAを上方ブレイクした場合は、1.14台で上値がレジストされるかが注目される。そのような展開となれば、1.17台への急反発はリスク回避に伴う突発的な現象(=だまし)であったことが確認され、最大上限を1.1500と再設定することができるからだ。

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