マーケットの焦点はイエレンFRBのスタンスに

アナリストの視点-9月利上げへの不透明感晴れず

トレーダー

27日の海外市場はリスク選好優勢の展開となった。アジア株式の全面高を受け、欧米株式も堅調に推移。世界的な株高に加え、この日発表された4-6月期の米GDP改定値も上方修正されたことで米金利への上昇圧力が強まり、外為市場ではドル高優勢の展開に。EUR/USDは1.1203レベルまで、USD/JPYは121.40レベルまでそれぞれドル高が進行した。一方、ドル以上に堅調だったのが資源国通貨だった。株高に加え原油先物相場が前日比10.0%以上の上昇率(終値1バレル=42.56ドル)となったことを受け、USD/CADは1.31後半、AUD/USDは0.71後半までそれぞれ資源国通貨買い優勢の展開となった。

4-6月の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比3.7%増と、速報値の2.3%増から大幅に上方修正された。個人消費(速報値:2.9%増→3.1%増)が上方修正のけん引役となったことで、米ファンダメンタルズが持続的な改善傾向にあることが示された。ただ、中国リスクが顕在化し、世界経済の成長減速懸念が急速に意識され始めたのは7月以降である。また、26日のダドリー・ニューヨーク連銀総裁のハト派発言等を考えるならば、9月利上げへの不透明感は未だ残る。実際、金融政策の方向性に敏感な米2年債利回りは上昇したのものの、0.70%台の水準まで上昇するとレジストされる状況は変わらず。また、昨年12月以降、0.76%前後でキャップされている状況も考えるならば、9月利上げに対してマーケットが未だ判断しかねている状況がうかがえる。利上げ時期を探る上で目先注視すべきは、29日のフィッシャーFRB副議長の講演内容だろう。同副議長は今月10日、ブルームバーグTVに対し、労働市場は完全雇用に近い状況にあり、低インフレ状態は一時的な現象であると言及している。米ファンダメンタルズの持続的な改善を重視し、次回会合(9月16-17日)での利上げを匂わす発言をするならば、来週以降、グローバル株式市場は再び不安定化する可能性があろう。この場合、米金利に再び低下圧力が強まることで外為市場ではドル売り/円&ユーロ買いの展開が想定される。

逆に、直近の中国リスクと原油価格の急落に伴うマーケットの混乱を重要視し、利上げ時期の先送りシグナル(=越年シグナル)を発信してくれば、株高トレンドは維持されるだろう。また、商品市況の反発も想定される。よって、外為市場では資源国通貨や新興国通貨を買い戻す動きが強まろう。逆に円&ユーロは売り優勢の展開となろう。ドル相場は各通貨で強弱まちまちの展開となるだろうが、年内利上げ期待すら後退する状況となれば米金利への低下圧力が強まることで、ドル売り優勢の展開が想定される。

本日の焦点-株式市場、続伸か調整か

本日の外為市場も株式市場にらみの一日となろう。中国リスクの後退と堅調な米国のファンダメンタルズ改善が意識され、株式市場が連騰となればドル高トレンドは継続しよう。USD/JPYとEUR/USDのチャートポイントに関しては、下記「Technical analysis highlights」を参照されたし。
一方、連日の株高に加え週末やフィッシャー講演を控え、グローバル株式市場が利益確定売り優勢となれば、ドル相場の上昇幅は限られよう。ただ、リスク選好優勢の展開となっていることを考えるならば、ドル相場の下値は底堅いだろう。逆に円やユーロの反発は限られよう。

尚、21時半以降、各種米指標データが発表される。注目は7月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター)となろう。予想以上ならば、素直にドル高を想定したい。一方、緩慢な伸びにととまれば、これまでのドル高の反動から利益確定のドル売りを誘発する可能性があろう。ただ下落幅は、上記の通り株式動向次第となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.76:リトレースメント50.00% 120.40:8/25高値
サポート 118.40:サポートポイント 118.00:サポートポイント

5日MA(赤ライン)の突破には成功したが、上値の焦点は変わらず。目先は120.40レベルが攻防分岐となろう。一方、下値は118.40レベルの維持が焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが120.50にはオファー、118.50にはビッドがそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1366:一目/転換線(緑ライン)
サポート 1.1280:重要サポートポイント 1.1229:8/21安値

昨日は日足の一目/基準線(赤ライン)が推移レベルまで急落。今日現在、このラインは1.1280前後で推移しているが、この水準には10日MA(黄ライン)及びリトレースメント61.80%が密集ている。
また、厚いビッドも観測されており、1.1280レベルは本日の重要な攻防分岐と認識しておきたい。一方、目先の上値の焦点は、転換線の突破となろう。
尚、1.1400及び1.1450にはオファーの観測あり。

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