米利上げ時期を探る状況は継続

アナリストの視点 -イエレンFRB慎重姿勢崩さず

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米連邦準備理事会(FRB)は17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上のゼロ金利政策の維持を決定。概要を確認すると、声明文では米経済について1~3月期の景気低迷から回復基調にあり、労働市場は労働資源の活用不足がいくらか減少したと指摘。また、フォワードガイダンス(時間軸政策)については、労働市場とインフレ見通しの改善を見極めるとした4月の内容を踏襲した。

一方、中期経済見通しでは、2015年の実質国内総生産(GDP)伸び率を1.8~2.0%に下方修正し、インフレ率(コアPCE)に関しては1.3~1.4%と前回予測を据え置いた。

今回のFOMCでもイエレンFRBは総じて慎重姿勢を維持。年内利上げ観測は残るものの(ドットチャートでは年内2回の利上げの可能性を示唆)、焦点だった9月利上げへの不透明感を幾分強める内容となった。

肝心のマーケットの反応だが、一部予想では、今回のFOMCで9月利上げに向けたシグナルを発信してくるとの思惑もあっただけに、米国マーケットは「株高/金利低下(2年債利回り)」で反応。外為市場はドル売り優勢の展開となった。

今後の焦点だが、筆者が注目するのはやはり米株の動向である。米早期利上げ観測が一時的に後退したことを背景に米株が株高で反応した事実は、未だ「緩和マネー依存症」を克服できないことを示唆している。よって、注意すべきは良好な米指標データが続いた場合、ファンダメンタルズ改善期待と早期利上げ懸念、どちらが強く意識されるか、この点だろう。前者ならば、リスク選好のドル高となると同時に、円相場はUSD/JPYがけん引役となり緩やかな円安トレンドを形勢する可能性があろう。後者ならば、リスク回避のドル高トレンドが形成されると同時に、円相場は「USD/JPY上昇/クロス円下落」の展開を想定したい。また、資源国通貨や新興国通貨は対ドルで下げ幅を拡大しよう。


今日の焦点 - 米指標データにらみ

イエレンFRBは、米利上げ時期が雇用/インフレ動向次第であることを繰り返し表明してきた。よって、具体的な米利上げ時期を探るため、マーケットはこれら指標データにより神経を尖らそう。
本日は21時30分に消費者物価指数(CPI)と新規失業保険申請件数が発表される。内容次第で米金利とドル相場の動向を左右しよう。円相場はドルストレートにトレンドが左右されよう。米指標データが総じて好調ならば「USD/JPY上昇/クロス円下落」を想定。一方、総じて冴えない内容ならば逆の展開を想定したい。
また、上記の通り良好な指標データが続いた場合の米株の動向にも注視しておく必要があろう。


Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.50:レジスタンスポイント 123.82:10日MA(緑ライン)
サポート 122.45:6/10安値 122.00:リトレースメント38.20%&レンジの下限

21日MA(赤ライン、今日現在123.55前後)に絡む状況は継続中。中心レンジを123.00-124.50と想定し、どちらのレンジをブレイクするかが本日の焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが124.50、124.80そして125.00にはオファー、123.00、122.70そして122.50にはビッドがそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1450:レジスタンスポイント 1.1400:レジスタンスポイント
サポート 1.1200:短期サポートライン 1.1143:一目/基準線

5月27日安値1.0819を起点とした短期サポートラインを維持。結果、アセンディングトライアングルのパターン形成の可能性も維持している。目先の焦点は1.1400レベルの突破となろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.1350には厚いオファー、1.1400にはオファーに加えオプションバリアの観測もあり。一方、ビッドは1.1200、1.1180前後そして1.1150前後にそれぞれ観測されている。

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