EUR/USD急伸も今後の展開は米指標データ次第

アナリストの視点-EUR/USD、目先は1.08-1.15のレンジを想定

チャート

2日の海外外為市場ではユーロ相場が急伸した。この日発表された5月の消費者物価指数(HICP)速報値が前年同月比+0.3%と市場予想(同+0.2%)を上回ったことに加え、ギリシャ支援を巡る協議で進展の兆しが見られたことでユーロを買い戻す動きが加速。EUR/USDは1.1200手前まで急伸し、他のドルストレートでのドル安を牽引。昨日東京タイムで節目の125円を付けたUSD/JPYだったが、NYタイムでは124円台を割り込む局面が見られた。

また、ドル安はクロス円のサポート要因ともなり、EUR/JPYは高値138.87と1月14日以来の高水準まで急反発する展開に。ドル安と原油価格の反発を背景にCAD/JPYも1月12日以来の高水準、100.22レベルまで上昇した。

目下のところ、ギリシャリスクと米欧金融政策のコントラスト(=方向性の違い)がEUR/USDのレジスト要因となっているが、前者で解決に向けた進展が見られたことに加え、タイミングよくHICPが良好な結果となったことで昨日は重要テクニカルポイント(一目/転換&基準線、10日&21日MA)をことごとく突破する展開に(尚、独10年債利回りは0.5%台から0.7%台へ急上昇しユーロ高のけん引役に)。大陽線の示現により、1.05-1.10のレンジ相場へ逆戻りする可能性はひとまず後退した。

だが、後者に関しては、今後コントラストが鮮明となっていくだろう。今後のユーロ圏指標データが景気改善を示す内容となれば、リトレースメント61.80%もしくは76.40%を突破する可能性はある。しかし、現在マーケットの主要テーマは米金融政策の動向である。よって、1-3月期の米景気低迷が特殊要因(=悪天候/ストライキ)に起因した一時的な現象であったと、5月以降の米指標データが示せば上記のコントラストが意識され、好調な指標データを背景としたユーロ買いの圧力が高まっても、米年内利上げ期待を背景としたドル買い圧力がそれに勝ることでEUR/USDは中長期的に下値を模索するトレンドが形成されよう。
逆に冴えない米指標データによりファンダメンタルズの改善期待が後退した場合、短期的なドル売りによりEUR/USDはもう一段高が期待できる。しかし、米ファンダメンタルズ改善の遅れは、欧州の景気回復の阻害要因ともなることから、中長期的なユーロ高/ドル安トレンドを形勢することはないだろう。引き続き米指標データに神経を尖らせながら、目先は1.08-1.15のレンジ相場を想定したい。

本日の焦点 指標データにらみの一日

本日は指標データに注視する一日となろう。東京タイムは10時30分発表の1-3月期豪州国内総生産(GDP)と豪ドル相場の動向を注視したい。市場予想(前期比:+0.7%、前年同期比:+2.1%)以上ならば、素直に豪ドル買いで反応することが想定される。だが、予想以下となれば、前日のRBAによる政策金利の据え置きと声明を受け急伸した豪ドル相場での利益確定売りを想定したい。また、10時45分発表の5月HSBC中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、前回:52.9)の結果も豪ドル相場の変動要因となる可能性がある。

欧州タイムは、18時の4月ユーロ圏小売売上高に注目したい。市場予想(前月比:+0.6%、前年同期比:+2.0%)以上となれば前日からの流れを引き継ぎ、EUR/USDは上述したリトレースメントを突破する展開となろう。EUR/JPYも追随し139円台の攻防へシフトする展開が想定される。

だが、ユーロの買戻し基調が継続しても、その持続性は米指標データ次第となろう。今晩の5月米ADP雇用統計と同月非製造業景況指数が総じて予想以上の内容となれば、米年内利上げ観測が意識されることでドルストレートでは再びドル買い優勢の展開となろう。円相場ではUSD/JPYが124円台を維持する一方、クロス円は総じて上値の重い展開となろう。逆に米指標データが冴えない内容となれば、前日の海外市場と同じ展開(=USD/JPY下落、クロス円上昇)が想定される。尚、日本時間4日午前3時に公表される米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容もドル相場の変動要因となる可能性があるため要注意。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.06:6/2高値 125.00:レジスタンスポイント
サポート 123.75:6/2安値 123.17:10日MA(緑ライン)

これまで相場をサポートし続けてきた5日MA(今日現在124.16、赤ライン)を下方ブレイク。直近高安23.60%戻し123.60レベルやビッドが観測されている123.50レベルをも下方ブレイクした場合、10日MAまでの反落を想定したい。
尚、昨日安値レベル下の123.70レベルにもビッドの観測あり。上値は125円再トライが焦点となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1314:リトレースメント76.40% 1.1220:リトレースメント61.80%
サポート 1.1143:21日MA(緑ライン) 1.1000:サポートポイント

目先の焦点は21日MAでの攻防。本日早朝はこのMAでサポートされる状況が継続中。このまま、21日MAがサポートラインとなれば、前日の流れを引き継ぎ上記のレジスタンスポイントをトライする展開が想定される。
逆に21日MA以下の攻防へシフトした場合は、節目の1.10を再び目指す展開を想定したい。
尚、直近のオーダー状況だが、昨日突破に失敗した1.1200レベルにはオファーとオプションバリアの観測がある。1.1300レベルにもオファーの観測あり。一方、ビッドは1.1100&1.1000レベルにそれぞれ観測されている。

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