ドル高維持の鍵は米指標データとFOMC議事録に

アナリストの視点-ドル高継続もトレンド化には材料不足

イエレンFRB議長

19日の海外外為市場ではドル高が継続した。ドル買いをサポートしたのは米住宅関連指標と欧州要人発言だった。前者は、4月の米住宅着工件数が7年5カ月ぶりの高水準となった。一方、欧州中央銀行(ECB)サイドからは、クーレ理事がユーロ圏金利の急反発に懸念を示すと同時に、夏場の流動性低下を前に債券買い入れのペースをやや加速させると発言。これらが材料視されEUR/USDは5月5日以来となる1.1118レベルまでユーロ安/ドル高が進行した。
USD/JPYは好調な米住宅関連指標の結果に加え、欧米株式が堅調に推移したことも重なり、レンジの上限である120.50レベルの突破に成功。高値120.74までドル高が進行した。クロス円はドルストレートでのドル高を背景に円高優勢の展開に。USD/JPYの上昇がサポート要因となりNYタイムでは円売りが散見されたが上値は重く、EUR/JPYは134円ミドル、AUD/JPYは95円ミドルそしてGBP/JPYは187.20前後で推移したまま、本日の東京時間を迎えている。

NY原油先物相場は5日続落。さらにECBサイドからは、4月下旬以降から続く欧州金利の急反発をけん制する発言が聞こえ始めてきたことで、独金利はひとまずリトレースメント38.20%レベル(=0.80%レベル)で反発トレンドが終了する可能性が高まってきた。ユーロ高を支えてきた独金利が再び下落トレンドへ転じれば、EUR/USDでの1.15トライの可能性は後退しよう。
ただ、それがドル高のトレンド化へとつながるかどうかはやはり米指標データ次第だろう。昨日は堅調な米住宅関連指標に反応しドル高が進行した。だが、ドル高がトレンド化するためには、米早期利上げのハードルとなっている低インフレ懸念を払しょくする必要がある。この懸念の払しょくに成功すれば、ドル高トレンド化へのムードが強まろう。逆に失敗した場合、EUR/USDはレンジ相場を形勢する展開が想定される。USD/JPYも上限が121.00レベルに切り上がるだけで、レンジ相場継続の可能性が意識されよう。

本日の焦点-焦点はFOMC議事録と121円トライ

USD/JPYは19日、トライアングル上限だけでなくレンジの上限である120.50レベルをも上方ブレイク。テクニカル面ではドル高/円安再開シグナルが点灯。焦点はこのまま121円台へ再上昇するかどうかだが、本日その鍵を握るのは米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録となろう。注視すべきは米国経済に対する認識だが、ドル高や原油安といったリスク要因を乗り越え、将来の景気回復に自信を示すようならUSD/JPYは121円再上昇の展開が想定される。

だが、4月のFOMC声明では景気判断を下方修正してきた。このためFOMCメンバー間での利上げ時期に関する見解も統一感に欠けている。1-3月期の景気低迷をもたらした特殊要因(=悪天候/ストライキ)以外、つまり上記のリスク要因が今後米経済の回復を阻害する可能性が高いと議論されていたことが確認されれば、直近の冴えない指標データも意識され、米早期利上げ期待が後退しよう。結果、再びドル売り圧力が強まることでUSD/JPYは121円トライに失敗する可能性があろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.50:レジスタンスポイント 121.00:ボリンジャーバンド上限
サポート 120.00:サポートポイント 119.67:21日MA(青ライン)

トライアングル上限だけでなく、レンジの上限である120.50レベルをも上方ブレイク。そしてRSIは60.00前後まで上昇している。テクニカル面ではドル高トレンドシグナルが点灯しており、本日は121円台への上昇が焦点となろう。121.00前後にはボリンジャー上限(σ2.5、MA21)が推移しており、且つ厚いオファーとオプションバリアも観測されている。持続的な株高、米金利の上昇そしてFOMC議事録で121円台への到達に成功した場合は、121円ミドルが次のレジスタンスポイントとして浮上しよう。このレベルは3月中旬に上値が抑えられた水準であり、且つオファーが観測されている。一方、下値は120円台の維持が焦点となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1293:一目/転換線 1.1263:10日MA
サポート 1.1100:サポートポイント 1.1035:短期サポートライン

昨日は21日MAでかろうじて下げ止まる展開に。20日早朝もこのMAが意識されている点を鑑みるに、本日の攻防分岐として意識しておきたい。このMAで反転した場合は、10日MAトライが目先の焦点となろう。
逆に21日MAを下方ブレイクした場合は、短期サポートラインを視野にユーロ安/ドル高が加速する展開を想定しておきたい。
尚、直近のオーダー状況だが1.1220-30ゾーンではオファー、短期サポートライン上の1.1050レベルにはビッドがそれぞれ観測されている。

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