焦点は英総選挙とEUR/GBPの動向

アナリストの視点-EUR/USD反転の材料

英総選挙

6日の海外外為市場は、冴えない米雇用データを背景に対ユーロ&円でドル安優勢の展開となった。EUR/USDは2月26日以来となる1.1370レベルまで急伸。一方、USD/JPYは119.20レベルまで急落する局面が見られた。EUR/JPYはドルストレートに連動する状況が継続し、2月20日以来となる135.70レベルまで上昇した。一方、資源国通貨はNY原油先物相場に連動する展開となり、対ドル&円で往って来いの展開に。また、総選挙リスクに直面する英ポンドだが、対円では182.50レベルで上値の重い状況が続いたまま、本日の東京時間を迎えている。

4月中旬以降、米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは下落基調を辿り、昨日は重要サポートポイント94.00をトライする局面が見られた。背景にあるのは、EUR/USDの動向だろう。実際、4月14日以降のEUR/USDのチャートは、ドルインデックスのそれと綺麗な逆相関図を描いて推移している。ユーロ高継続の軸となっているのは、①早期利上げ観測後退によるドル安、②欧州中央銀行(ECB)の緩和強化に伴う景気回復期待(=直近の指標データはユーロ圏経済の回復を示唆)、③景気回復期待に伴う欧州株高、④株高に伴う独金利の上昇(=米独金利差縮小観測)の4本柱。これらに加え総選挙リスクを背景に英ポンド売りまでが強まれば、EUR/GBPでの上昇がユーロ相場全体の更なる押し上げ要因となろう。

ただ、RSIが70の水準を超える等、直近のユーロ反発スピードに過熱感が出始めている。よって、今後はユーロ反落リスクを意識すべきフェーズにあると言える。上記4本柱を軸としたユーロ高トレンドを反転させる材料として目先注目すべきは、明日の米雇用統計(4月分)と5月11日のEU財務相会合だろう。前者が市場予想を上回る内容となれば、①と④の後退要因ともなろう。

一方、後者の会合でギリシャへの支援協議が難航した場合は、欧州株式市場を一時的にせよ混乱させる可能性があろう。欧州株の下落は、独金利反発の土台が崩れることを意味する。そして独金利の反発は現在のユーロ高の支柱となっており、その支柱が折れれば一転ユーロ売りが強まろう。だが、現在のギリシャ市場の混乱と欧州市場の堅調さ、原油相場の反発基調(=対ドルでの資源国通貨買い圧力の強まり)を鑑みるに、後者の要因(=ギリシャリスク)のみがクローズアップされてのユーロ売りは長続きしないだろう。EUR/USDが反転したと判断する時とは、ドル高再燃、つまり明日の米雇用統計をはじめとした指標データを背景に再び米早期利上げ観測が強まる時だろう。

本日の焦点-EUR/GBPの動向に注目

上記の通り、本日は英総選挙(日本時間7日午後3時から実施されほとんどの選挙区で即日開票)が実施される。前回(2010年総選挙)同様、今回も「ハングパーラメント(どの政党も単独で過半数の議席を獲得できな状況)」となることは必至の情勢。よって、連立を組むであろう地域政党がどの程度躍進するか、今回の焦点はここだろう。
保守党と連立政権を組み、且つEU残留を掲げる自由民主党の支持が低迷する中、EUからの独立を掲げるイギリス独立党やスコットランド独立を目指すスコットランド民族党が躍進すれば、今後の英政治リスクが意識されポンド売り圧力を強める要因となろう。

注目の通貨ペアはEUR/GBPだろう。対ドルだけでなく対ポンドでもユーロ買い圧力が強まる展開となれば、上記の通りユーロ相場全体をさらに押し上げる要因となろう。

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