FEDスピーカーはハト派寄り 米指標データは?

Market Overview -ハト派のFEDスピーカー

ドル

週明けの海外外為市場は、ドル売り優勢の展開に。FEDスピーカーからは将来の利上げ時期に関してハト派寄りの発言が聞かれ、米早期利上げ観測が後退。米金利が低下したことで外為市場ではドル売り圧力が強まり、EUR/USDは昨年12月高値を起点としたレジスタンスラインを視野に反発した。米早期利上げ観測の後退と原油価格の反発が合わさり、資源国通貨も対ドルで堅調に推移。AUD/USDは一目/雲の下限を上方ブレイク。USD/CADは1.26下で推移している21日MAと一目/基準線でレジストされた。

一方、円相場では、世界的なドル安を背景にUSD/JPYが120円割れの展開に。対照的にクロス円はその(ドル安)恩恵を受け、主要な欧米株式市場が軟調な地合いとなったにもかかわらず、軒並み上値トライの展開となった。

先月下旬に6月or 9月の利上げを示唆していたフィッシャーFRB副議長は、23日のエコノミック・クラブでの講演用原稿で年末までの利上げを示唆しながらも、将来の利上げは滑らかな上昇軌道とはならないと指摘。また、3月9日のワシントン講演で「今年前半中の利上げに賛成する」と述べていたメスター・クリーブランド連銀総裁も、この日(23日)の講演では「6月に利上げが実施されるとは限らない」と述べる等、米6月利上げの可能性を後退させる発言が相次いだ。これらFEDスピーカーの発言に加え、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文で経済成長率、インフレ率そして自然失業率の目標レンジ上限を下方修正している点も鑑みるに、利上げ時期を6月から年後半へシフトさせることが「賢明な選択」であるとの認識がイエレンFRB内で浮上していることがうかがえる。

現状、ドル相場は昨日のレポートで指摘した各テクニカルポイントを維持しており、今後の米指標データ次第では、ドル高へ反転する可能性が示唆されている。しかし、その指標データまでが崩れるようならば、「Data Dependency-指標データ次第」のスタンスを表明しているイエレンFRBは年後半の利上げへシフトする理由を得ることになる。当然マーケットもその点を敏感に捉え、ドル売りを仕掛けてこよう。本日の米消費者物価指数(2月、CPI)から来週の雇用統計まで、米指標データに神経を削る毎日が続こう。

Today’s Outlook -米CPIとドル相場の動向 

本日のドル相場のトレンドを見極める上で最も重要な材料は、米消費者物価指数(2月、CPI)となろう。市場予想平均は+0.2%(コア+0.1%)。総じて上振れるようならば、米6月利上げ観測への思惑を背景に米金利の上昇とドルの買戻しを誘発しよう。EUR/USDはレジスタンスラインを維持する展開を想定したい。一方、USD/JPYは株式とクロス円の動向次第だろう。ドルストレートでのドル高圧力(クロス円の下落圧力)を株高が相殺すれば、サポートラインを維持しよう。逆に米6月利上げがグローバル株式の下落要因(クロス円の下落要因)となれば、サポートラインをブレイクする可能性を意識しておきたい。

一方、米CPIが予想以上に下振れた場合は、米6月利上げ観測の後退を受け、ドル全面安となろう。この場合、EUR/USDはレジスタンスを上方ブレイクする展開を想定したい。また、商品市場の反発も想定されることから、資源国通貨全般も対ドルで堅調に推移しよう。円相場は、クロス円を中心に円売り圧力が強まろう。USD/JPYの下値はクロス円の円安水準次第となろう。テクニカル面については下記「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.84:10日MA(3/23時点、赤ライン) 120.17:3/23高値
サポート 119.30:3月18日安値 118.94:リトレースメント50.00%

1月安値を起点としたサポートラインが破られつつある。完全に下方ブレイクした場合は、さらなるドル安シグナルと捉え118円台の攻防へシフトする展開を想定したい。テクニカル面での焦点は、119.00下に位置するリトレースメント50.00%及び118.65前後で推移している一目/雲の上限となろう。ドル安圧力がさらに強まった場合、「ドル安=株高=クロス円上昇」のパターンと119.00レベルの厚いビッドの存在を考慮し、前者のテクニカルで反発する可能性を意識したい。
一方、上値は120円台への再上昇が目先の焦点となろう。

3/24 USD/JPY 日足チャート

EUR/USD

レジスタンス 1.1044:3/18高値 1.0970:レジスタンスライン
サポート 1.0753:一目/転換線(3/23時点、緑ライン) 1.0600:サポートライン

目先は一目/基準線(赤ライン)と転換線(緑ライン)、どちらをブレイクするかが注目される。だが、真の焦点は昨年12月高値を起点としたレジスタンスラインのブレイクだろう。これを達成した場合は、18日高値1.1044をも上方ブレイクし、13日安値1.0462からの38.20%戻し1.1267レベルを視野にユーロのショートカバー(ドルロングの調整)が加速しよう。
一方、下値は一目/転換線を維持できるかが焦点となろう。尚、直近のオーダー状況だが1.1000にはオファーが観測されている。

3/24 EUR/USD 1時間足チャート

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 株価

    株式なくしては、各国の経済に不可欠な株式市場は成り立たないでしょう。ここでは、株式取引が個人投資家の収入源と大きな資産になる一方、いかに企業の拡大・成長につながるかということを学びます。

  • レバレッジ取引を行う

    レバレッジを利用することで、比較的少額の初回支払金額でどのように金融市場に大きなエクスポージャーを得ることができるか学びます。レバレッジは利益を増幅させることができますが、同時に損失リスクも増大するため、利用には注意が必要であることを説明しています。

  • CFD取引

    ここでは、CFD(差金決済取引)の取引とその仕組みについて例を挙げながら紹介し、CFD取引のメリットについて説明いたします。
    さらに、料金設定とファンディングコストについても解説いたします。