焦点は米国イベントに

Market Overview-マーケットの焦点は米国イベントに

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23日の欧州株式市場は、欧州中央銀行(ECB)の緩和強化を受け続伸。一方、米国株式市場ではダウ平均とS&P500が反落。低調な企業決算が嫌気され売りを誘った。メキシコ、ブラジルといった新興国株式市場でも上値の重い展開となり、ECBの緩和強化による株高の流れを継続させることが出来なかった。株式市場のリスク回避の一因となっているNY原油先物3月限もサウジアラビアの政権交代による減産期待が後退したことで下落。欧米債券市場では、ECBの緩和強化を背景に域内の欧州国債利回りが過去最低水準まで低下した影響から米金利も低下。外為市場ではユーロドルが一時1.1115レベルまで、ユーロ円は130.91レベルまでそれぞれ急落する展開となった。その後、行き過ぎたユーロ売りの反動からショートカバーの展開も見られたが、クーレECB理事の発言やギリシャリスクが意識され上値の重い状況は変わらず。円相場全体では、ユーロ円での急落や米株の反落を受け総じて円高優勢の展開に。ドル円は118円を割り込み、117.80レベルで23日の取引を終了した。

ECBの緩和強化によりグローバル市場はリスク回避一辺倒の様相から脱しつつあるものの、リスク選好へ回帰したと判断するには早い。米国株式市場で不安定な状況が続いているためだ。2015年前半も引き続き米経済の回復に頼る構図が続くことを考えるならば、米株の安定化がリスク選好回帰の最低条件となろう。今週は米国イベントにマーケットの焦点が集中しよう。

中でも最も注目すべきは、米経済指標と連邦公開市場委員会(FOMC)だろう。前者は、10-12月期実質国内総生産(GDP、速報値)に注目したい。1月以降の経済指標は米早期利上げ観測を高める程強い内容は見られない。GDPまで市場予想を下回ればその観測が後退するどころか、現時点でコンセンサスとなっている6月の利上げ観測すら後退しかねない。そのような思惑が台頭すれば、外為市場では対円&ユーロでドル売り圧力が強まろう(要はドルロングと円&ユーロショートの調整)。新興国通貨に対するドル相場のトレンドは株式の動向が鍵を握ろう。6月利上げ観測後退が逆に米株のサポート要因となれば、「株高オンリーのリスク選好」を背景にドル売り/新興国通貨買いとなろう。GDPの冴えない内容が米ファンダメンタルズ改善への警戒感が高めれば、米株が下落することでリスク回避のドル買い/新興国通貨売りになると想定している。

後者のFOMCで注視すべきは声明文の内容だろう。前回2004年の利上げ実施局面では、「相当な期間 (Considerable time)」→「忍耐強く(be patient)」→「緩やかなペース(Measured pace)」という文言の変遷を経て、2004年6月会合で実際の利上げに踏み切った。直近の海外情勢や原油安を鑑みるに、今回の会合でイエレンFRBが「緩やかなペース(Measured pace)」を盛り込んでくる可能性は低い。むしろ警戒すべきは上記の理由(海外情勢や原油安)により、米経済の回復に対して警戒感を滲ませてきた場合だろう。この点に関して楽観的な見解を示した昨年12月16─17日分のFOMC議事録から下方修正されれば、6月利上げ観測を後退させることで、米金利の低下圧力を強めよう。そして外為市場ではドル売り圧力が強まろう。米FOMCとGDPがドル売りを誘発すれば、重要サポートポイント115.50レベルを再び目指す展開を意識したい。


Today’s Outlook -焦点はユーロ相場

米国イベント以外で注視すべきは、ギリシャの総選挙だろう。25日に行われた議会選挙の開票作業が進んでいるが、執筆時点で得票率トップは事前の予想通り急進左派連合(SYRIZA)となっており、与党「新民主主義党(ND)」を率いるサマラス首相は日本時間26日午前6時前に敗北宣言した(NHK)。アジアオープンのユーロドルは1.12台を下方ブレイクし1.11ミドル割れの展開に。ユーロ円も130.61レベルまで下落幅を拡大させている。このまま急進左派連合が過半数(150議席以上)を獲得すれば、緊縮財政策を巡りトロイカ側(EU、ECB、IMF)との軋轢が深まるとの懸念からユーロ相場を圧迫する可能性があろう。円相場はユーロ円に引きずられる展開が想定される。
ただ、ギリシャが破たんを回避するためにはトロイカ支援が必要不可欠であることは周知の事実。2月上旬頃の新政権発足まで紆余曲折はあろうが、その後ギリシャリスクは後退し、一時的なユーロのショートカバーを想定している。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 119.59:リトレースメント76.40% 118.88:リトレースメント61.80%
サポート 117.18:1月21日安値 117.00:サポートポイント

117.00-119.00を中心レンジと想定。ギリシャの選挙結果を受けユーロ円が130円割れをトライする展開となれば、117円割れを意識したい。一方、119円トライとなった場合、注視すべきは直近安値からのリトレースメント61.80%戻しの攻防となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.1300:リトレースメント23.60% 1.1290:1月23日戻り高値
サポート 1.1115:1月23日安値 1.1100:サポートポイント

本日はギリシャリスクを背景に上値の重い展開を想定。目先の焦点は1.11割れとなろう。一方、上値は23日の戻り(ユーロショートカバー)で突破に失敗した1.13レベルとなろう。

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