焦点は黒田日銀の動向、英MPC議事録、米指標データ

Market Overview-リスク選好回帰はまだ先

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20日の欧米株式市場は底堅く推移した。ドラギECBの緩和強化期待を背景にストックス欧州600指数は7年ぶりの高値を更新。ドイツDAXも最高値を更新する展開となった。堅調な欧州株式動向を背景に、序盤こそだれていた米国株式だが終盤にかけては下げ幅を縮小。主要3市場はそろって小幅高で取引を終了した。

一方、外為市場では円相場が上下に振れる展開となった。欧州タイムは株高を背景に円売りが優勢。その後は上述した米株に連動し「円買い→円売り」の展開となった。

昨日の値動きで気になったのはドル円の底堅さだった。日欧米の株式動向は円売り要因として捉えるべきだが、それならばクロス円が円安のけん引役となってもおかしくなかった。だが、株高によるクロス円の上昇は限定的だった。背景にあるのは、ドルストレートでのドル買いだろう。実際、米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは93.00と、高値水準での攻防となっている。日欧の緩和強化が米債投資への妙味を高めるとの観測から米金利では低空飛行状態が継続している。それにもかかわらずドルインデックスが上昇し続けている事実は、現在のマーケットがリスク回避から完全に脱しきれていないことを示唆している(もちろん日欧緩和強化の影響もある)。実際、先進国の金利は世界的に低空飛行となっており、且つ商品相場では原油価格の低迷が継続中。さらに直近の金先物相場は底堅さを維持している。昨日のドル円や日米欧の株式動向のみにフォーカスするならば、リスク選好に回帰している感を受ける。しかしマーケット全体を俯瞰するならば、リスク選好トレンドへ回帰したと判断するのは早計であることがわかる。

Today’s Outlook -最大の焦点は黒田日銀の動向

昨日、ドル円が底堅く推移した背景には堅調な欧米株式動向に加え、黒田日銀への思惑もあろう。現在マーケットでは、法定準備預金額を超える準備預金(超過準備額)に対して日銀が支払う利息、つまり付利の引き下げ観測が高まっている。この観測を高めている要因は国内債券市場の動向だ。新発10年物国債の利回りはついに0.2%台の水準を割り込み、5年物国債に至っては初のマイナス金利となった。このような状況の中、貸出支援制度の延長&拡充に合わせ、付利を現行の0.1%から0.05%に引き下げることで市場に潤沢な流動性を供給するよう仕向けるのではないか、とマーケットは勘ぐっている。ただ、サプライズ好きの黒田日銀ならば、付利をいきなり撤廃してくる可能性をも意識しておきたい。日米欧の株式市場でリスク回避ムードが後退しているタイミングで黒田日銀が緩和強化の継続スタンスを示せば、円売り圧力が強まることを想定したい。

海外時間は、英中銀金融政策委員会(MPC)議事録と米住宅関連指標に注目したい。前者に関してはポンド売り要因として警戒しておきたい。後者に関しては住宅市場の改善が見込まれている。市場予想以上ならば米株とドル相場をサポートしてよう。逆に原油安が続く中、冴えない内容となれば、米ファンダメンタルズ改善期待が後退することでNY時間はリスク回避傾向が強まろう。この場合は、米株安と円高に警戒したい。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 119.59:76.40%戻し 118.87:61.80%戻し
サポート 118.34:一目/基準線 117.86:一目/転換線

119円台への再上昇が焦点。テクニカル面では1月高安のリトレースメント61.80%&76.40%戻しの攻防に注視したい。下値は日足の一目/基準(緑ライン)&転換線(赤ライン)の維持が焦点となろう。。

ユーロ円

レジスタンス 138.00:レジスタンスポイント 137.64:1月20日高値
サポート 136.50:サポートポイント 136.00:サポートポイント

137円台への再上昇に成功。株式市場の動向次第では、オファーが観測されている138円トライの可能性が高まってきた。一方、下値の焦点は136円台の維持となろう。135.50、136.20そして136.00にはそれぞれビッドが観測されている。

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