マーケットは「綱引き相場」に

Market Overview-今後は綱引き状態に

bg_janet_yellen_1427157

17日の米国マーケットは、「株高・米金利反発・ドル買い」の展開となった。注目された連邦公開市場委員会(FOMC)声明だが、冒頭で労働市場の改善や長期インフレ期待の安定について言及すると同時に、金融正常化に向け「忍耐強く待つ-the Committee judges that it can be patient in beginning to normalize the stance of monetary policy」という文言を新たに盛り込んできた。また、今回の修正に関しては異例の低金利状態を「相当の期間(considerable time)」に渡って続けるとした従来の声明と整合しているとも指摘。タカ派スタンス転向を滲ませながらも景気に配慮した絶妙な内容となったことで、NY株式市場ではS&P500が2013年10月以来の大幅高となった。また、ダウ工業株30種平均の上げ幅も2013年12月18日以来1年ぶりの大きさとなった。米債券市場では2年債利回りが0.60%台を回復。米金利の上昇は外為市場でのドル買い圧力を強め、ドル円は21日MAや一目/転換線が密集する118.65レベルの突破に成功し、108.90レベルまで反発した。一方、ユーロドルは1.24後半から1.2321レベルまでドル高が進行した。

16日のマーケット動向で注目すべきは、タカ派寄りのFOMC声明やイエレンFRB議長が具体的に2015年半ばまでの利上げの可能性に言及してきて尚、米株が大幅高となったことだろう。ロシアリスクまでが急速に台頭するタイミングで、イエレンFRBがタカ派スタンスを鮮明にすれば、株式市場の圧迫要因となる可能性があった。しかしそのような展開にはならなかった事実は、現在の不安定なグローバル市場は短期的な調整相場であって、これまでリスク選好トレンドの土台となってきた2つの期待、つまり米ファンダメンタルズ改善期待と日欧緩和マネーの流入期待が意識され続ける限り、リスク選好トレンドは継続する可能性が高いことを示唆している。

ただ、各リスク要因(原油相場の下落、新興国市場を圧迫する米金利変動リスク)がくすぶり続ける中、海外勢がこれからクリスマス休暇に入ることを考えるならば、引き続きグローバル市場では不安定な状況が継続する可能性が高いだろう。今後は調整相場とリスク選好回帰の力がせめぎ合う「綱引き相場」となろう。


Today’s Outlook -リスク選好トレンド継続なるか

本日の円相場も株式にらみの展開となろう。昨日の欧米株式の反発や新興国市場のそれらも堅調に推移したことで、日経平均も底堅く推移する可能性が高い。アジア時間は円安優勢を想定したい。
焦点は、本日の海外時間でもリスク選好トレンドが継続するかどうかだろう。鍵を握るのは原油価格の動向と米経済指標となろう。前者に関しては反発の兆しが見えるものの、世界経済の景気減速懸念が背景にある以上、引き続き「株安・円高」リスクとして警戒したい。
後者に関しては新規失業保険申請件数と12月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数に注目したい。総じて市場予想を上回るようならば、米株の更なる反発要因となろう。だが原油価格急落となれば、売り優勢の展開となろう。外為市場では米金利低下によるドル売り圧力が強まろう。ただ、最も売り圧力に曝されるのは新興国通貨、特に脆弱なファンダメンタルズ(経常赤字、財政赤字、高インフレ)問題に直面する新興諸国の通貨となろう。一方、ユーロは対ドルでショートカバー優勢となろう。また、円相場は円高優勢となろう。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 119.55:12月11日高値 119.00:レジスタンスポイント
サポート 118.00:サポートポイント 115.49:リトレースメント38.20%

大陽線出現により、ひとまず115.50ブレイクの可能性は遠のいた。ただ、グローバル株式市場では引き続き調整相場が継続する可能性があることを想定するならば、121.86からのリトレースメント38.20%レベル115.49トライは常に想定しておきたい。
一方、上値は10日MA(緑ライン)を完全に上方ブレイクし119円台の攻防へシフトするかが焦点となろう。
尚、朝方のオーダー状況を確認すると119.00には厚いオファー、117.00、116.50レベルにはビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.2424:一目/基準線(17日現在) 1.2400:レジスタンスポイント
サポート 1.2321:12月18日安値 1.2247:12月8日安値

再び1.23割れが焦点に浮上してきた。米株が続伸すれば金利の反発を誘発することで、1.23割れトライの可能性が高まろう。1.22台への攻防へとシフトすれば、12月8日安値1.2247が次の焦点として浮上しよう。一方、上値は一目/基準線でレジストされるかが注目される。21日MA(緑ライン)も基準線近辺で推移している。
尚、朝方のオーダー状況を確認すると、1.2300及び1.2280にはビッドの観測がある。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • CFDの取引方法

    ここでは、IG証券の取引プラットフォームを紹介し、多様な資産クラスを提供するCFDを有効に取引するための方法について説明いたします。また、ストップ注文やリミット注文などの機能、レバレッジ取引の仕組みについても解説いたします。

  • ストップ

    ポジションを保有・清算できるいくつかの方法を学びます。単純な直接取引から、人がいなくても自動で指示を出すような取引までいろいろあります。注文取引により、利益額をあらかじめ設定したり損失額に対してストップをかけたりできます。複数の注文方法を紹介するとともに、利用方法を説明いたします。

  • 先物

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。