今後のメインテーマは「土台」の再構築

Market Overview-経済指標次第(Data-dependency)

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29日の米国マーケットは、「株安・金利上昇・ドル高」の展開となった。メインテーマは米連邦公開市場委員会(FOMC)だったが、昨日の米国マーケットの動向は、今回のFOMC声明が予想外のタカ派寄りとしてマーケットで捉えられていたことを示唆している。

その内容だが、資産購入プログラムの終了決定と超低金利政策に関する「相当な期間」の文言を維持したことは事前の想定通り。

今回の声明がタカ派寄りと認識された要因は、労働市場とインフレ見通しに対する楽観的な見方にあろう。前者に関しては、幅広い労働関連指標は労働資源の活用不足が徐々に消えつつあることを示唆している(a range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources is gradually diminishing)とし、「著しい労働市場の未活用」に対する懸念を表明した前回声明から上方修正してきた。後者に関しては、インフレ調整指標は若干低下しているものの、調査に基づく長期インフレ期待は安定的であり(survey-based measures of longer-term inflation expectations have remained stable)、インフレ率が目標としている2%を下回る水準が続く可能性は今年はじめに比べやや薄らいできた(the Committee judges that the likelihood of inflation running persistently below 2 percent has diminished somewhat since early this year.)と指摘。
さらに、今後の指標データにより米経済が、FEDが定めた雇用と物価目標に向かって予想よりも速く加速していることを示すようならば(if incoming information indicates faster progress toward the Committee's employment and inflation objectives than the Committee now expects)、FF金利の誘導目標の引き上げは現時点での見通しよりも早く起きる可能性がある(increases in the target range for the federal funds rate are likely to occur sooner than currently anticipated)とし、金融正常化に向けた進捗度合いは、経済指標次第(data-dependency)であることを引き続き強調してきた。マーケットもこの点は十分認識している。実際、反発したとはいえ、昨日の米金利の上昇幅は限られ、外為市場ではユーロドルが1.26台をかろうじて維持、そしてドル円がフィボナッチ76.40%レベルで上値が抑えられた裏には、米経済指標を見極める必要があるとの思惑がマーケットにあるからだろう。よって、11月以降のメインテーマは、ドル高トレンドが加速するために必要な「土台」の再構築にあろう。世界経済の先行き不透明感に関する言及もなかった点を鑑みるに、良好な米指標データさえ続けば、FEDの早期引き締めに向けた「土台」が再び築かれつつあるとマーケットは認識しよう。しっかりとした「土台」が再構築されれば、日欧との金融政策のコントラスト(方向性の違い)が意識されよう。結果、年末に向けてドル高トレンドが徐々に強まろう。



Today’s Outlook -焦点は米経済指標とイエレン発言

日本時間21時30分に7-9月期実質国内総生産(GDP、速報値)が発表される。予想値は、前期比年率で+3.0%。欧州&中国の成長減速を受けて尚、市場予想を上回る内容となれば、米早期引き締め観測が台頭することで米金利の反発とドル高を促そう。
問題は米株の動向だろう。米GDPの結果が早期利上げ「懸念」を台頭させ、米株続落の要因となれば、外為市場では円買い圧力が強まることでドル円の上値を抑えよう。
また、22時に予定されているイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の講演にも注目したい。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 109.23:10月7日高値 108.93:リトレースメント76.40%
サポート 107.79:21日MA(緑ライン) 107.64:一目/基準線(赤ライン)

短期トライアングル上限の突破に成功。だが、リトレースメント76.40%レベルで上値が抑えられている事実は、109.00前後が新たなレジスタンスポイントとなる可能性があることを示唆している。米経済指標の結果、109円台へ再上昇すれば、109.23(10月7日高値)が次のターゲットとなろう。一方、下値は21日MAの維持が焦点となろう。
尚、朝方のオーダー状況だが、109.00&109.25には厚いオファーが観測されている。ビッドは107.80、107.50-60レベルにそれぞれ観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.2800:レジスタンスポイント 1.2770:10月29日高値
サポート 1.2613:10月23日安値 1.2600:サポートポイント

大陰線が示現し、再び21日MAを下方ブレイク。本日の米経済指標次第では米欧の金融政策のコントラストが意識されることで、1.2600を割り込む可能性もあろう。1.2600前後にはビッドが並んでいる。一方、上値は1.28台への再上昇が焦点となろう。
ただ、RSIが売り買い分水嶺の50.00を下回る水準へ低下していること、DMIでもユーロのベアシグナルが点灯していることを鑑みるに、厚いオファーが並んでいる1.2790-1.2830レベルを突破することは難しいだろう。

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