マーケットの耳目はFOMC声明に

Market Overview-FOMC前にリスクセンチメントは改善

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28日のグローバル株式市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にリスク選好優勢の展開となった。米国株式市場ではダウ工業株30種平均とナスダック総合株価指数が、好調な四半期決算や根強い景気回復期待を背景に4日続伸。S&P500種も前日比1.2%高と反発。主要な欧州株式も主要企業の決算が好感され総じて堅調に推移。新興国株式ではブラジルボベスパ指数が反発色を強め前日比3.6%超の展開に。大統領選挙が僅差の勝利であったことから、第二期ルセフ政権は、より市場重視の政策を打ち出す可能性が高まったとの観測が背景にある。

直近の株式動向を受け、さすがに米金利も反発地合いとなった。ただ、FOMCを前に大きな変動は見られず上昇幅は限定的。

一方、外為市場では、米経済指標(耐久財受注)の下振れや緩和長期化観測を背景にドルインデックスは3日続落。ユーロドルは21日MAにサポートされ1.2767レベルまでドル売りが進行した。一方、ドル円は堅調な株式動向がクロス円での上昇を促したことで108円台乗せに成功。オセアニア時間では若干の円買いが散見されるも、108円台を維持したまま本日の東京時間を迎えている。

 

10月15日前後を境に、米株をはじめグローバル株式市場がリスク回避からリスク選好へ転じている。この背景として最も注目すべきは、リスク回避ムードが強まる中で相次いだ米連邦準備理事会(FRB)サイドのハト派発言だろう。
フィッシャーFRB副議長は11日のワシントン講演で、世界経済の状況次第で金融正常化へ向けたプロセスが遅れる可能性について言及した。14日にはウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が低インフレに対して懸念を示した上で、利上げ時期が遅れる可能性を示唆。さらに16日にはタカ派寄りのブラード・セントルイス連銀総裁もインフレとインフレ期待の低下は看過できないとし、量的緩和(QE)の縮小を停止する可能性もあるとの認識を示した。好調な米企業決算もタイミングよく重なり米国株式は底打ち感を強め、グローバル市場の反発をけん引。株式市場でのリスクセンチメント改善により、外為市場では円高圧力が急速に後退した。
同時にFRBサイドからのハト派発言は米金利の低空飛行も促し、株高オンリーのリスク選好相場を形成。結果、円売りのみならずドル売り圧力も強まったことで、資源国&新興国通貨は底堅さを維持することに成功している。

Today’s Outlook -リスクはタカ派サプライズに

ただ直近の株式動向は、未だ緩和中毒から脱し切れていない株式市場の現実を浮き彫りにしている。よって、直近の最大のリスクはイエレンFRBの宗旨替え、FOMCでのタカ派サプライズにあろう。
焦点はFOMC声明となろう。ベースシナリオは慎重姿勢の維持だが、予想外に景気とインフレ見通しに強気の見方を示し、低金利政策に関する「相当の期間(considerable time)」の文言が削除されれば、マーケットはタカ派スタンスへの転換と認識しよう。この場合、米金利の上昇と対ユーロ、資源国&新興国通貨でのドル高を促そう。問題は米国株式の動向だ。引き続き底堅さを保てば、ドル円は110円台へ向け再び上昇トレンドが鮮明となろう。逆に利上げ懸念が意識され米株が崩れれば、円買い圧力が強まることでドル円だけはむしろ下落する展開を想定しておきたい。尚、労働市場における「たるみ(slack)」が縮小しているとの文言が盛り込まれるかどうか、この点にも注目しておきたい。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 108.93:リトレースメント76.40% 108.50:短期レジスタンスライン
サポート 107.64:一目/基準線(赤ライン) 107.70:短期サポートライン

基準線&短期サポートラインの維持が焦点となろう。本日ブレイクするきっかけがあるとすれば、上述したイエレンFRBの宗旨替えによる米株安だろう。逆に米株が底堅さを維持すれば短期レジスタンスラインをトライする展開となろう。突破した場合は、105.20からの76.40%戻し108.93レベルが次のターゲットとして浮上しよう。尚、朝方のオーダー状況だが、108.50、108.80&109.00にはそれぞれオファーが観測されている。ビッドは107.50以下より断続的に観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.2850:レジスタンスポイント 1.28000:レジスタンスポイント
サポート 1.2690:21日MA 1.2613:10月23日安値

本日のFOMC声明でハト派スタンスの維持が確認されれば、ドル売りトレンドは継続しよう。注目されるレジスタンスは1.2850レベルだろう。直近1か月はローソク足の実体ベースでこのポイントがユーロの上値を抑え続けている。一方、下値は1.26台の維持が焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況だが、1.2770から1.2850レベルにかけては断続的にオファーが何らでいる。1.26前半には断続的にビッドが観測されている。

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