くすぶるFOMCへの警戒感 豪ドル/米ドルは下値模索

Market Overview-ドル円の行方を左右する米国株式

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9日の外為市場も対円でドル高優勢の展開となった。ドル円はストップを巻き込みNYタイムに106.47レベルまで上昇。オプションバリアの観測がある106.50超えには失敗したものの、「ドル高地合い」の強さをあらためて市場関係者に印象付けた。高金利&資源国通貨でもドル高優勢となり、豪ドル/ドルは3月下旬以来の安値水準0.9188まで、NZドル/ドルは2月上旬以来の安値水準0.8223までそれぞれ下落した。
一方、ユーロやポンドは対ドルでショートカバーの展開に。資源国通貨売りがユーロやポンドをサポートした面もあり、ユーロドルは1.2957レベルまで反発。ストコットランド独立問題に揺れるポンドも、カーニー英中銀(BOE)総裁の利上げに前向きな発言を受け、1.61を挟んで堅調に推移。昨日発表された7月の鉱工業生産指数が市場予想を上回ったこともポンドをサポートした。

昨日の米国マーケットを振り返ると「株安・金利上昇・ドル買い優勢」となった。また、直近の米株の動向を受けVIX指数は上昇傾向にあり、外為市場では資源国通貨で売り圧力が強まっている状況を鑑みるに、グローバル市場では明らかに連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感が強まっていることを示唆している。

徐々にリスク選好ムードが後退している感があるが、昨日指摘した「リスク回避のドル高」へ突き進むかどうかは、米株次第だろう。焦点は、明日以降発表される米経済指標が総じて強い内容となった場合だ。ファンダメンタルズ改善期待よりも米早期引き締め懸念の方が台頭した場合、米株の下落幅が拡大しよう。そして米金利の変動リスクのみが意識されることで、外為市場では「リスク回避のドル高」が鮮明となってこよう。

このような状況に陥った場合、注視すべきはドル円の動向だろう。現在の円安ドライバーはドル円である。FOMCへの警戒感を背景に上値が重くなっている米株の影響を受け、グローバル株式市場でのリスク選好ムードが後退しつつある中でも、ドル円がしっかりしていることで円高圧力が急速に強まるムードは感じられない。しかし、好調な米経済指標がかえって米早期引き締め懸念を台頭させ、米株を含めたグローバル株式市場全体が不安定化すれば、リスク回避を背景に円買い圧力が強まろう。その圧力は米金利の上昇を背景としたドル高圧力を相殺し、ドル円ではドルロングを調整する動きが強まろう。また、他のドルストレートの下落も合わさり、クロス円でも円高圧力が強まろう。実際、昨日は株式に敏感な豪ドル円やNZD円が下落している。「リスク回避のドル高」に対する警戒感は持ち続けるべきだろう。

Today’s Outlook -豪ドル/米ドルは下値模索

8日に発表された8月の中国貿易黒字は498億ドルと、エコノミスト予想は420億ドル及び7月の473億ドルを上回った。しかし、この背景にあるのは低調な輸入(7月:-1.6%、8月:-2.4%、前年比)である。これは、同国における内需の縮小傾向(主因のひとつは、政府当局の不動産投資抑制政策による調整)が継続していることを示しており、8月分の各経済指標(CPI、PPI、鉱工業生産、小売売上高)で下振れリスクが高まってきた点を考えるなら、豪ドル相場は下値を模索する展開になると想定している。

特に対ドルではその傾向が強まろう。上述したFOMCへの警戒感と中国経済の先行き不透明感を背景に、目先のサポートポイントである0.9200を一時的にせよ下方ブレイクしたことで、3月下旬以降続いてきたレンジ相場が終焉を迎えつつあるからだ。0.9180前後で推移している200日MA(チャート画像:赤ライン)を下方ブレイクするならば、節目の0.9000を視野に下落幅が拡大しよう。

TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS

ドル円

レジスタンス 107.00 レジスタンスポイント 106.50:レジスタンスポイント
サポート 105.50:サポートポイント 105.00:心理的節目

106円台への上昇に成功。106.50には厚いオファーとオプションバリアの観測があり、本日もレジスタンスポイントとして意識しておきたい。106.50ブレイクならば、107円台への上昇が次の焦点として浮上しよう。このレベルでも厚いオファーとオプションバリアが観測されている。一方、下値は105円台の維持が焦点となろう。昨日に続き105.70&105.50にはビッドが観測されている。

豪ドル/米ドル

レジスタンス 0.9289:9月9日高値 0.9284:5日MA(青ライン)
サポート 0.9181:200日MA(赤ライン) 0.9100:サポートポイント

焦点は200日MAの攻防。下方ブレイクならば、0.9100が次のサポートポイントとして浮上しよう。一方、上値は5日MAが推移している0.9285前後を突破出来るかが焦点となろう。昨日はこのレベル付近で上値が抑えられた経緯がある。名お、0.9180下にはストップ、0.9300にはオファーがそれぞれ観測されている。

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